第3話 目覚めの兆候
結構改訂しました。
俺達は神殿を出てそれぞれの家に戻った後、冒険者ギルドに登録しにいった。
自分たちで生活の糧を得るためだ。
冒険者になるためには、受付で申請したあと、個室で能力検査を受ける事になる。
水晶に手を置くと、術者が魔法で鑑定する仕組みで、相手のだいたいの強さが測れるものだ。SからFまであり
Fランクは、戦闘に適さないレベル
Eランクは、ゴブリン程度
Dランクは、魔獣程度
Cランクは、オーガ程度
Bランクは、魔族レベル
Aランクは、ドラゴンやデーモンレベル
Sランクは、魔王とも戦えるレベル
もちろん、Sランクなんて国に一人いるかいないかの勇者扱いだ。
多くはCか良くてBランクで終わる冒険者が多い。
Bランク以上は平民でも騎士や貴族への誘いが来るくらいなので、皆がんばっているのだ。ランクアップはクエストをどれだけこなしたとか、難易度の高いクエストを終えると、水晶で適性を調べられてアップする事がある。
また、登録時にもらえるカードは身分証にもなっており、ランクによっては待遇が変わってくる事もある。
俺達のランクだが、今までの鍛錬のおかげもあり、二人共Dランクでギルドの職員を驚かせた。
ただ、おれの時だけ鑑定が何やら難しかったらしく、ギルドの職員は
「Dという事にしておきましょう」と曖昧な言い方をしていた。
比較的高いランクだが、スラムで娼婦の子の俺達への風当たりは強く、新米かけだしの冒険者、しかもスラムの俺達と一緒のパーティーを組むものはいなかったが、特に不都合はないので二人でクエストを受ける事にした。
クエストも討伐でなく薬草採取でもしようと思ってそれを探していたが・・・
声をかけてきた人がいた
「やはり冒険者登録をしにきたな」
「あなたは、シルヴィアさん。あなたも冒険者に?」
「ええ、よろしくね。あっちにシーラもいるわ
私たちはDランクよ! 初登録では最高ランクだったわ!」
よく見ると周囲がさわがしくなっていた。シルヴィアやシーラはかなり美人なのでパーティーに誘うメンバーも多かったが、どうやら全部断ってこっちに来たらしい。
「おい、嬢ちゃん、そいつはスラムの娼婦の子だぜ、そいつと関わるのはやめときな!」
これ以上俺にかかわると迷惑がかかるので、そっとその場を離れようとしたが、シルヴィアは俺の手をとり、
「待ちなさい、あなたが去る必要はない。
お前たち、本当に卑しいのは見た目や身分だけで判断する奴の事だと覚えておきなさい」
「なんだと! 初心者の分際で生意気な女だ、躾がひつようだな」
「おい、やめとけ、あいつシルヴィアだぞ?」
「シルヴィアって、あの剣姫か!?」
「ああ、あの年で剣技をマスターしているという天才だ」
とりあえず一段落したようなので俺はシルヴィアに話しかけた
「シルヴィアさんもクエスト探しですか?」
「ええ、あなたは良いクエスト見つかったかしら?」
「はい、この薬草採取をしようかと」
「おもしろそうね、ではそれをうけましょうか」
シルヴィアはそれを持って受付に行った。
「えっ・・・ちょっと待って」
俺は後に付いていった。
「このクエストを受けるわ、メンバーは私と彼らよ」
「このクエストでしたら大丈夫ですね。わかりました。
でも、あなた達4人ともDランクなので討伐クエストでも十分いけると思うのだけど?」
「これでいい・・・え? 4人ともって・・」
「ああ、俺達もDランクなんだ」
「やはり私達の目に狂いはなかったわね」
どうやらシルヴィアは俺達と一緒にクエストを受けるようだ。
「シルヴィアさん、でも俺達と一緒でいいのですか?」
「いいわよ。一緒に成人式を受けた仲じゃない。気にしない、気にしない
それとも私達と一緒は嫌?」
不安そうにシルヴィアが聞いてきた。
この顔で、それは反則だよ・・・・
俺は少し照れながらも了承した。
こうして、俺達は薬草採取のクエストに出かけた。
しかし4人ではなく5人でた・・・・
あとひとりはジョン・シェフィールド伯爵という壮年の騎士がいたのだ。
なんでもお目付け役兼ガードだそうだ。
本当に俺達は場違いな気がしてきた。はっきりいって浮いているのだ。
伯爵と公女2人は綺麗な鎧に武器を持っており、俺はロングソードだけ、ティカはダガー2本だけだ。この装備だって、ナオさんががんばって出してくれたお金で買ったものだ。
目的地の薬草採取場所は比較的近くにあるため、昼ころには到着し薬草を採取した。
その最中、俺はなにか争っている気配が近づいてくるのを感知した。
「何かくる! 急いで避難するぞ」
「わかったわ」
俺達は岩陰に隠れた。すると林の方から木をなぎ倒しながら何か近づいてきた。
傷を負った大きい狼が飛び出してきた。その後をこれまた大きい熊が現れた。
シェフィールド伯爵はそれを見て叫んだ。
「あれは銀狼とデビルベア!」
(なぜ熊だけ英語? というか叫んだらこっちの居場所がバレるのでは?)
シーラは様子を見ながら言った。
「巻き込まれないように静かにしてここを去りましょう
あれはBランク相当の魔獣よ」
俺たちはシーラの意見に賛成し、静かに去っていく事にした。
銀狼は手負いで、なんとかデビルベアの攻撃をしのいでいた。
どちらも俺たちの手に負える相手ではない。一流の騎士達でさえかなり厳しい相手だ。
なんとかやり過ごして、逃げる機会を伺っていると。
不利な銀狼が吠えながら助けを呼んでいるようだ。
俺には、なぜかその内容が理解できた。
「誰でもいい、助けてくれ! 必要ならわらわ自身も与えよう肉体も魂ももっていくがいい、そのかわりあの化物を倒し、わが一族とこの森を守っておくれ!」
ティカが俺に訴えてきた。
「お兄ちゃん!あのワンちゃん、たすけてって言ってる!」
「ティカ、おまえにも聞こえるのか?」
「なんとなく、そんな感じがするよ」
「わかった、なんとかしてみる。
ティカはあの人たちと一緒に避難していてくれ」
「大丈夫なの?」
「・・・問題ない」
俺は一人反対を向いて走り出した。
何も考えず、ただ銀狼を助け、デビルベアを倒す事だけを一心に思った。
身体がまるで勝手に動くかのように動いた。
デビルベアが銀狼を弾き飛ばし、止めをさそうと腕を振り上げた瞬間
俺はさらに加速し、ロングソードで思いっきりデビルベアの横腹を突き刺してそのまま勢い余って激突したため、俺とデビルベアは岩場までふっとび、そのままデビルベアごと剣が岩に突き刺さった。
デビルベアの胴体はえぐられ、深く突き刺さっており絶命していた。
まぁ、こんなもんだろう。
銀狼はその様子を見て話しかけた。
「我は銀狼の長フェン。助けて頂き感謝する。
なんでも望みを言うがいい。我にできる事はなんでもいたそう。」
「いや、特にない
そもそも望みが欲しくて助けたわけではないからいいさ」
「変わった人間だ、望みがいらぬとは?
しかしこの恩は一族郎党末代まで忘れぬ。何かあれば頼るがよい」
そう言って去っていった。
後で他の仲間達と合流し、事情を説明した。
デビルベアは、銀狼がほとんど倒したと話しておいた。
ここで俺がやったなどと言うと大騒ぎになる事が目に見えているという理由が一番大きいのだが・・・・
ギルドでは薬草採取以外にも、このデビルベア討伐による報酬ももらった。
かなりの額で金貨を何枚もくれたのだ。
ツイッターで予告した通り、小説に関わる事で、実際の聖人についての話です。
以外に知らない人が多いと思いますが、キリスト教の聖人はかなりチートな能力持っています。
神の力を行使しているので当然といえば当然ですが・・・
諸説ありますが、とりあえず自分の知っている内容でお話します。
そこで、20世紀最後で最強の聖人といわれたピオ神父を例にその能力を紹介していきます。
・治癒能力(医者でもなおせない病気を癒す)
・心の中を知る(懺悔の時、その人が隠している事まで理解し、相手に訴える事があった)
・その人の過去を知る
・未来を知る(ある女性が襲われる事を予見し、それをふせぐ為に列車の切符を破り捨てた事もある。その結果、その女性は助かった)
・同時に2箇所に存在し活動する(バイロケーション) 分身みたいなもの?
・悪魔を追い出す、または地獄へ送る
その他の聖人で上記以外の能力よく知られているのは
・食べ物を増やし、必要な分以上に出現させる
・毒蛇にかまれても平気
・神殿の神像を一瞬で崩壊させる
・死者蘇生
・動物との会話
能力はすごいですが、聖人とは、貧乏、HはNG、謙虚、人のために尽くす、恨まず、憎まず、不殺生、困難や苦しみは甘んじて受けるなど、制約も多いです。
ちなみによく天使が悪者で登場する話では、天使は傲慢で人を見下している描写が多いですが、
それは堕天使のする事です。
なぜなら、天使が堕天使になった原因が、傲慢、人を見下した事によるものだからです。
逆に天使は、人間を尊重し、謙虚な存在で、それを外れると堕天使として地獄に落とされます。
堕天使で有名なのは天界で一番とも言われたルシファーですが、現在その椅子には、元人間だった聖人フランシスコがついたと言われています。
ちなみに彼は、生前貴族の地位ばかりか金も服も全て捨て乞食になった聖人です。
フランチェスコとともにいた人の一人にとても姿勢の低い謙虚な人がいました。
それは悪魔が逃げ出す程だったそうです。
彼が悪魔にちかづくと、悪魔は身を焼かれ苦しむといわれた程です。
近づくだけで悪魔にダメージを与える聖人・・・あるいみ凄いです。