第1話 この力は・・・
この話の異世界は、堕天使たちの安住の世界としてあたえられた世界であり、
そこで、堕天使たちが神となり、魔王となり、悪魔とそれぞれの役割をになって活動している世界です。
実際、現実?でも神話や伝承の神々は、堕天使だとも言われている説もあります。
堕天使といっても全てが人間や神を憎む悪というわけではなく、中には後悔したり、人のために働く堕天使も存在します。
そんな彼らが神話で、神と呼ばれたりしたというわけです。
この小説は、この説を取り入れファンタジー物にしています。
ここは精霊の森と呼ばれる獣が多く住む精霊の力が豊かな森だったが、魔王軍の侵攻とともに荒らされ、獣も殺され邪悪な瘴気により精霊の力も弱まっていた。
この森に生息する人種は主にエルフや獣人達だったが、魔王軍の前には為すすべもなく逃げるしかなかった。
とうとうエルフの里に籠城し、死か人間の国に亡命するかの選択肢しか残っていないまでになっていた。
元はエルフと同じ種族で友好関係にあったダークエルフも今や生き残りのため魔王軍に屈し、魔王軍の一軍の配下の部隊としてエルフの里に向かっていた。
エルフの里は人間の国から援軍として勇者達も来たが、数が圧倒的な魔王軍に対しては絶望的だった。
そんな中、魔王を倒し、魔王軍の一軍を撃破した一人の男がいた。
その男はダークエルフ達の希望となり、エルフの里にいる勇者達を救うために、禁忌の技・・・神の火とも言われたメギドを使い、魔王軍を一瞬にして滅ぼした。
大地は震え、森は焼かれ、大気でさえも燃えたその火はまるで太陽が落ちてきたかのような有様だった。
その惨劇の起きた場所の上空で、光の翼を生やしたその男が呆然としていた。
「これはもう戦いではない。虐殺だ・・・・
俺の意思で行ってもよかったのか?
俺は、この力を使うのが怖い・・・
確かに魔王軍を倒さなければならなかったが
この力は魔王ですらかわいく見える
俺は、これからどうすればいいんだ・・・」
その男にどこからか声が聞こえてきた
「これはあなたが望んだ事
あなたが選んだ道
そして、いずれまた必要になる力」
「また必要になるだと・・・」
「まずは学べ
西の大きな国に知識の本が多くある」
俺は、その言葉を頼りに西の国を目指す事にした。
この世界に生まれていろいろな事があった。
そう、あの時から全ては始まったんだ。