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ハズレを引くのがモブの特権

すいません、色々と予定が重なったこともあって投稿が空いてしまいました。よろしければブックマークをお願いします。

 「ヨッシャア‼俺はこの戦いに勝った、勝ったぞ‼」

  「やめてくれよ・・・」

  「Ahhhhhhhhh‼」


 今俺達のクラスは、阿鼻叫喚に包まれていた。あるものは叫び、あるものは感嘆の声を上げる。そしてあるものは、死んだかの様にピクリとも動かなくなった。

 そんな中俺は思考を巡らせていた。   


 (考えるんだ、うちのクラスにいるのは40人、そのうち2人がいないから38人、そこから半分の16人。今現在12人が引いて6人が地獄へと落ちた。残る地獄への片道切符の枚数は、あと10枚。そして残る人は俺を含め24人、つまり12分の5を引かなければ俺の勝ちだ!)


 俺は紙の入った箱に手を突っ込み、一枚の紙を引き抜き紙を開く。


「さあ、どうだ・・・」


 恐る恐る紙に書かれている文字を見る。そこには、大きな文字で「はずれ」と書かれていた。外れと書かれた紙を握りしめ俺は静かにガッツポーズをした。

 しかし、なぜこのクラスがこのような惨劇に陥っているのか、それはさかのぼる事数十分前の事である。




「さて、今日のホームルームは前言ったと思うが体育祭の出場種目を決めるぞ」


 そう言うと桜井先生が黒板へ体育祭の競技種目を書く。

 黒板には、サッカー、バスケ、バレー、リレーなどのいかにも体育祭の種目といった感じの種目が書かれていたが、その中には借り物競走は書かれていなかった。


「先生、借り物競走が書かれてないです」

「まあ待て朔也、これには少し訳があってだな。まあ後から話すから心配するな」


 そう言うと先生は、プロジェクターの準備をし始める。おそらく去年の体育祭の様子でも写すのだろう。しばらくして競技種目を決め終わった頃に、先生が話し出した。


「さて、大体の種目は決まった事だろうしこれを見てくれ」


 そう言うと先生はプロジェクターに投影された動画を再生した。そこには、体育祭の動画が写されていた。しかし再生された動画に移っていたのは、体育祭と言うにはあまりにも恐ろしい光景が流されていた。


 球技種目は、どこかのサッカーゲームの様になっており炎や雷などが飛び交っており騎馬戦に関しては、共闘、裏切り、諜報、蹂躙など最早スポーツマンシップを忘れてしまうような戦いが繰り広げられていた。しかしその中でも借り物競走がやばかった。

 普通に考えれば、騎馬戦なんかよりは危険そうな競技には思えないだろう。普通に行ったとしても多少の怪我を負う可能性がある競技ではあるが、あくまで肉体的にダメージを負うのである。

 しかし借り物競走は違った。

 借り物競走のシーンを見た時に思った事は、「そもそも借り物競走ってなんだったっけ?」という感想だけであった。借り物競走を簡単に言うのであれば、紙に書かれているものを借りてゴールをするだけの競技である。だがこの学校の借り物競走では借りるものが少しだけ変わっているのである。

 借りるのは人である。別に人を借りるのはなんらおかしくないとは思うだろう。例えば、メガネをかけている男子や背の高い人などの指令であれば普通に可能ではあるだろう。しかしここでは人によっては酷な指令であったりする。動画の中では、「彼女又は彼氏」「嫌いな人」等のまだマシだと思えるお題から、「好きな人」「童貞又は処女」「気に食わない奴」等のお題まで幅広くあった。

 と言うよりもそのお題で修羅場に発展している人もいた。


しばらくすると動画が終わり先生が話し出した。

「さて、これが昨年度の体育祭の大まかま流れだがこの中で借り物競争に参加したいやつはいるか?」


先生が俺達に問い掛けるが、誰一人として声を上げるやつはいない。と言うよりも俺を含めほぼ全員が俯いていた。こうなる事が分かっていたのか一息ついて先生が話し出した。


「まあこんなのに参加したいと思うやつは普通はいないわな、てな訳でくじ引きだ」


先生はにやりと口元を歪ませると予め作っていたのであろうくじの入った箱を机に置く。その事を聞いたクラスの全員が悲鳴のような叫び声を上げた。


「そうそう言い忘れていたが、借り物競争に参加するのは今クラスにいる2分の1だ。つまりは16人、さて人生は諦めが肝心だ。早く引け」


そう言って冒頭に戻る訳だが、俺は何とか回避することが出来た。そして朔也も回避したらしくよほど嬉しかったのだろうスキップをしていた。

全員がくじを引き終え席に着いているとノックが鳴り、教頭先生が教室に入っって来た。そして桜井先生に一言告げると教室を後にした。


「あーよく聞け、教頭からだが今年からクラスの半分じゃなくて20人になった。まあ理由は簡単で、単純に半分だと人数にばらつきが出るからだとハズレのやつ引きにこーい」


ハズレを引いた俺らは絶望の中くじを引いた。結果俺と朔也は回避することが出来た。運がいいな。


余談だが響と天崎先輩と榊先輩ついでに龍也が参加することになったらしい。













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