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プロローグ

 高校生活、それはスクールカーストを懸けた戦いである。とまあ冗談?は置いておいて、高校生活では少なからずカーストが関わってくる。

 実際修学旅行の班決め、文化祭の出し物決め等、それ以外にも色々とあるが大まかに上げるとするならばこの辺りであろう。そして、これらの事を決める時には大体が『陽キャラ』と呼ばれる立場にいる奴らが中心になった決めている。

 他に陽キャラと対称的な位置関係にある立場の人もいる、俗に『陰キャラ』と言われる立場の人である。

 陰キャラの立場になった時には、個人差があるが中々にひどい扱いを受ける羽目になる。軽いものであれば、苦手意識を向けられる程度で済むのだが、酷いものであれば人間とさえ扱ってもらえない。


 例を上げるのであれば、席替えである。席替えの結果によっては、今後の学園生活に関わってくる為である。簡単に言えば仲の良いクラスメイトが、近くにいるかいないかによっては次の席替えの時までがとてつもなく過ごしずらいものになっていく。もの凄く極端な例えを上げるのであれば、男子1人を女子で囲む。それも話したこともない女子である。この時にクラス内でもトップカーストに位置している男子であれば、何事もなく過ごせるかもしれない。しかしコミュ障にとっては死活問題になりかねない。

 正直言って、きつい。


 と無駄に長く語ってきたが、最終的に俺、山城 一幸(やましろかずゆき)が何を言いたいかと言うと、

  

 「モブって最高じゃね?」

 「何言ってんだお前は」


 そう言うと、呆れた顔をしているこいつの名前は、森内 朔也(もりうちさくや)。同じ中学出身の少ない友人だ。朔也とは、中学時代での部活動でチームメイトでもあったこともありあり何だかんだあってこんな感じの仲になった。


 「いやだってさ良く考えてみろよ、ラノベとか漫画、アニメとかで主人公になってんのは大体この2パターンだろ」

 「間違ってはいないけど、なぜその結論に至ったのかが分からん」

 「現実だと起こる事は殆どないとは思うけど、人気のある主人公の元に幼馴染のヒロインが現れたり、自分よりもイケメンな友人がいる主人公が、学年のマドンナとか言われるようなヒロインに攻め込まれる様な事が起きるんだぜ。正直な話、羨ましいよりもうっとおしい」


 俺が言い切ると、朔也は頭を抱える。

 「話が長いし、わけわからん。お前よく捻くれてるとか言われないか?」

 「ないな」

 「そうか、中学の時から思ってたけどお前やっぱ頭おかしいわ」

 朔也は、何かを諦めたかのように、苦笑いを浮かべていた。

 

 「でもそんなことが起こらないとは限らないだろ」

 朔夜は何か思うことがあったのかそう言った。

 「何故に?」

 「だってよく言うだろ、『事実は小説より奇なり』って」

 「そんな事起こるか?」

 俺が、朔也の言った事に疑問を浮かべると朔也は笑いながら言った。

 「そういうものだよ現実ってのは」

 「まあ起これば面白いかもしれないけど、周りに対する被害も大きそうだな」

 「やっぱひねくれてるわお前」

 「自覚はあるから問題ないし、直すこともしない。これが俺のアイデンティティだからな」

 「そんなアイデンティティ、犬にでも食わせてしまえ」


 そんなくだらない事を話していると朝のHRの予鈴が鳴った。予鈴が鳴ると何時もならすぐに担任が来るのだが、珍しく今日はまだ来ていない。


 「そういや珍しく、まだ桜井先生来てないな」

 自分の後ろの席にいる朔也に話かける。

 「まあ、先生も完璧超人じゃないんだから遅れることもあるだろ」

 「それもそうか」


 すると、前の扉がガラガラと音を立てて開いた。そこには桜井先生いた。そして桜井先生が教卓に立つと言った。


 「遅れてしまって済まない。実は転入生の手続きに手間取ってしまってな、さあ入ってくれ」

 先生がそう言うと、扉が開くそこには黒髪ロングのいかにも清純系女子と言った感じの女子が入って来た。その女子が入って来た途端ある男子が彼女を見るや否や立ち上がりこう言った。


 「美冬、この街に帰ってきてたのか?」

 「もしかして、たっ君?」

 「ああ、久しぶりだな美冬」

 「うん、久しぶり」


 こんな光景を何故俺らは、見せつけられているんだろう。正直言ってきついです。先生でさえ困惑してんだけどどうすんだよ。この状況誰か突っ込めよ。



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