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オリンピアの夢  作者: 伊賀嵐 大城
7/10

6話

アインシュタインは偉大だ。

自分は今悪夢を見ている。


昔からある時を境に時々こうなることがあったので、夢の中なりに身構えていた。精神だけが夢の中に引き込まれる感覚。



高い塔のてっぺんのようなところにいる。空はとても低く、キュビズムのアートのように広がっている。奥にいる男が何か話している。

てっぺんなのに、奥?と思うだろうがこれは悪夢だ、情景描写など無意味である。

風景が変わる。塔は自分と顔の見えない男を上へ上へと連れていく。上がっているのに感覚はジェットコースターのようだ。そして間も無く宇宙空間へ放り出される。



自分の悪夢は、いつも気が付いたら宇宙にいるのだ。



広いようでいて狭い宇宙の酸素が薄くなっていく。苦しい、死ぬ感覚とは一体どんなだろうかといつも思う。

その悪夢における死の瀬戸際で目が覚める。漫画のようにバチッ、と目覚めるのだ。スマートフォンでタイムラインを確認して、レムの境目を断つ。だいたいこういうルーティンだ。


この悪夢のおそらくの始まりは、好奇心だった。小学1年だか2年だかの頃回転寿司屋の端っこで夢中で読んだ惑星の本のあるページ、太陽系の説明だったはずだ。そこには、3億年もすれば膨張し続ける太陽は地球を飲み込むだろうと記述してあった。

無限に生き続けてその瞬間を目の当たりにするわけでも無いのに、自分はその時初めて底知れない恐怖を感じた。見えないほど大きい存在に消し去られる感覚を、理解できるはずもないのに想像した。

それ以来、生と死を意識するようになった。そしてそれを悪夢という形で今でも時折自分に忘れないようにと、刻み込んでくる。


悪夢については、大体こういう解釈であった。


目が覚めた時間は午前四時過ぎであったが、その日はもう寝れなかった。目を瞑ると怖くなって、どきどきしてしまった。もう18にもなるというのに死の恐怖が克服できない。考え込む、という自分の癖にはこういうデメリットもあるのだ。

普通はこんなこと気にしない。でもまあ、自分は普通なのだが。

話がこんがらがってきたので、一回この話は終わりにする。





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