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オリンピアの夢  作者: 伊賀嵐 大城
4/10

3話

2020年、春。エヴァンゲリオンの新作は未だ製作されていない。

煙草を吸い終えると同時に、少し離れたところから自分を呼ぶ声が聞こえた。18歳の男にしてはやけに甲高い音で呼ぶその声の発生源は、真田であった。名前は序盤の自己紹介で一応覚えている。


「あぁ、さっきの、、」と言うと、

「そう、さっきのだよ!ふはは!お前タバコ吸うんだな。」

なんだ元気ねーな、病気?と大げさな物言いでこっちに来る真田という男はおそらく割と飲んでいたのだろう。顔が赤く気分も大きくなっていたが、もともとうるさいタイプだということが直感的に伝わってきた。

「俺もなんだよな、もう一本付き合ってよ」

と煙草を胸元から取り出す。マルボロメンソールだ。こちらも理不尽な値上げの影響でなかなかお目にかからなくなっている銘柄だ。

「いやー、なんかよく分かんなくなってきたなー、上」

と真田は大げさに四階の方に目をやる。

「そうだね、あんまり好きなノリじゃないな」

自分は正直に言った。

「俺もだわ、あと俺は酒が弱いということも判明した!アレルギーアレルギー!」

どうやら真田は1杯の半分も飲んでいなかったらしい。人は見かけによらないと思った。

「ところでさっきの話遠くで聞いてたけど、御幸結構ゲーマーなんだな!見かけによらずな!」

いや、見かけによるだろとは思ったが所詮印象というのは自分では分からないなとも思った。

「そうだよ、そう聞くってことは真田も何かゲームしてるの?」

「うん、してるしてる」

「何系」

「FPS(一人称のシューティングゲーム)、今だとコールオブデューティのBO4だな。お前あの感じだと知ってるだろ?」

知っているも何も、まさに今やりこんでいるゲームだった。大学生でやっている人はあるまいと思い、さっきの会話ではスマホゲームやら、スマブラがどうやらで盛り上がっていた。が、FPSの話題は出していなかったはずなので、真田の洞察力に驚いた。やはり、人は見かけによらない。

「図星、どうして分かったの?」

「話し始めの時、プレイステーションの話題出そうとしてたろ?そういう奴がCOD知らないわけないでしょうに」

というすごい大味な推理だった、人は見かけによるかもしれない。


好きなゲームが同じという驚くほどでも無い共通点のあった自分と真田は、あの武器はどうだ、やらあのスキルはどう考えてもバランスがおかしいなどの会話で新歓お開きになるまで話し込んでいた。


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