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オリンピアの夢  作者: 伊賀嵐 大城
2/10

本編 1話

2020年の春。春、というには少し暑いくらいの日差しが照りつける昼下がり、これからの四年感を過ごす学校へと歩く。極めて冷静に坂道を上りながらもどことなく浮ついた、暑いというよりも熱さのようなものを感じつつ正門を目指す。「まだ自分も若いなぁ。」と変に大人ぶってみる。


それもそうだ。今年はかねがね騒がれていた東京オリンピックの年であるし、ましてやその年に初めての東京進出である。それで気分が上がらない学生がいるとしたら鼓動を確認するだろう。

初めて、というのは大げさではない。横浜にずっと住んでいると満足してしまうのだ。隣県だから首都だからといって、別に用がなければいかないという人が横浜にはよくいる。


横浜の話はさておき自分が通う大学はミッション系大学、いわゆるキリスト教の大学だ。午後の部で参加した入学式はなかなかに新鮮だった。学生達にはどう考えて似合わない荘厳な賛歌のような校歌に(もちろん歌詞は覚えていない)どでかいパイプオルガン。そもそも、会場が教会だ。馬鹿にしてるわけではもちろんないのだが、そういうのを目の当たりにし、自分が無宗教なだけについ

「はいはい」

と斜に構えてしまったりもする。まだ若いのだ。


そのようにして、特に何か驚きのエピソードがあるわけでもない大学初日が終わった。


初日から何か行動を起こす程意気込んでる訳でもないし東京の駅の人混みにどぎまぎしたのもあり、その日はすぐに帰った。


授業はすぐにはないとはいえ、以外にやることも多い。その新入生やることランキングの堂々1位が単位の履修であったため、その作業をせっせと終わらせた。自分の所属する芸術学科は少々名前負けはするものの、それでも一応芸術的なさまざまな知識を学べるところであり、それでいて簡単に卒業できる学科である。


平凡な学生の考えではあるが勉学自体にそこまでの意義は感じないため、その芸術的なああだこうだは今後割愛していくこととなるであろう。おそらく。



話は学校から変わるが、自分が一番長く続けていることは、悪びれなくいうがゲームだ。rpgからアクション、シミュレーションなどやってきたゲームは数え切れない。中でもシューティングゲームは特に好んで続けていた。4月3日、入学式の前々日が新作シューティングゲームの発売日だったので今はそれにのめり込んでいる。先ほど色々ぼやいたが早く帰ったのはそのためである。


ゲームは崇高なものではないが別に悪いものでは無い。


そういうスタンスでゲームを続けている。そして今夜もプレイする。既に自分が大学生になったという感動等々はほぼゼロになっていた。









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