第33話 海の異変
いよいよ今日で2018年も終わりますね。
来年も引き続き頑張っていきたいなと思っているので、どうぞよろしくお願いします!
それでは皆様、よいお年を!
ゴロゴロ、、、、ドーーーン!!!
突如聞こえた爆音に俺たちは固まってしまった。
こんな大きな音は日本にいた時にも聞いたことがない。何か良からぬことが起きたのは明らかだ。
我に帰った後、みんなが海へ行こうとした。
「危ない!海に歩いて行くのはダメだ、飛んでいくぞ!オリビアは自分で飛べるからいいな!」
【アカリ頼む!】
【かしこまりました。名誉挽回のチャンスですね。】
アカリに頼んで俺を含めた5人を浮かせてもらう。
今回はかなり安全なようだ。
俺たちが浮上したのをみてオリビアも飛びたつ。
5人が横一列になるような形で飛び始めた。今は景色を見るような余裕はないので、この前よりもスピードが早い。
「ちょっと!今回は大丈夫なの!?」
ソフィアが不安そうに俺に聞いてきた、それもそうだ、あの最悪な空中飛行を見ているからな。
【言われてるぞ、アカリ】
【ご主人様はまだしも、ご主人様のお仲間を傷つけるわけにはいきませんから。ご安心ください。】
優先順位おかしくないか?
まあ気にしてもしょうがないのでソフィアには大丈夫だと伝えておいた。
そしてしばらく沖の方へ向かって飛んだところで俺たちは空中停止をした。陸からは結構離れたのであたりには海が一面に広がっているが、特におかしな様子はない。
さっきのは何だったんだ?
いくら探しても見つからないから、諦めて陸へ帰ろうとしたその時
ゴロゴロ、、、、ドーーーーン!!!
さっきと同じ音がした!音源に近づいたからかもっと音が大きい!
これ以上音が大きくなったら鼓膜が破れそうだ。
「あれじゃない?」
ソフィアが指差した先に波が立ち白くなっている水面があった。
「そこだ!」
俺たちは急いでその場所へ向かう。着いた頃には波の白さは消えて元の青い海に戻っていた。
何かあるとしたらこの下だな。
「みんな、この下に潜るぞ、覚悟はいいか?」
5人が真剣な顔をして頷く。
【アカリ、このまま水中に潜る魔法をかけてくれ。あと、何か突然のことにも対処できるようにバリアみたいなのも張ってくれないか?】
【かしこまりました。魔法の種類等はこちらで選択してもよろしいでしょうか?】
【任せる】
【かしこまりました】
そしてアカリは飛行魔法の高度を下げ、水面に足がつくかつかないかのところで止めた。
【準備が完了しました。ご主人様の合図で海中に入ります】
【ありがとう】
「それじゃあ潜るぞ!オリビア、合図で潜ってくれ!3、2、1、今だ!」
【水中防護魔法を展開します】
俺の合図と同時に全員の足元に金色の魔法陣が浮かび上がる。そして飛行魔法の効果が切れたのか魔法陣の上から水面に落ちた。
すると、水中に潜ったにも関わらず、何か地面のようなものに着地した。
周囲をよく見ると透明な球体の中に入っていることが分かる。それも泡のように形が揺らぐものではなく、頑丈な作りになっていた。
【昨日まで使っていた防水魔法、水呼吸魔法、水圧無効魔法のかけ合わせのように、水中を自由に動くことはできませんが、その分防御力を強化しました。物理攻撃も魔法攻撃にも対応しておりますのでご安心ください】
これなら大丈夫そうだ。
【移動はこれまで同様水流魔法で行います。リンクは完了しておりますのでいつでも出発できます。】
【ありがとう、そうだアカリ、どの方向に進めばいいかわかるか?】
ゴロゴロ、、、、ドーーーーン!
また音が聞こえたがさっきよりは音が小さく感じる、おそらくアカリの魔法の影響だろう。おかげで、音の方向も分かったしそっちに向かうか。
こうして俺たちは音のする方向へと進んで行った。
ーーーーー
猛スピードで海中を進むこと5分。ついに俺たちは音の正体を目の当たりにすることとなった。
「、、、クラーケン」
ソフィアがため息にも似た声を出す。それもそのはずだ。俺にもこの世の生き物とは思えなかった。
海中には大陸棚と呼ばれるものがあり、陸から続く浅い海域があるのだが、そこを抜けると急に切り立った崖のように深い海が広がる場所に出る。
例えるなら深海の入り口なのだがそこから巨大な足が5,6本飛び出していた。
足だけ、それも先端しか見えていないにも関わらず、その長さは10メートンを超えている。一体どれぐらいの大きさなのか考えただけでも寒気がした。
【これだけ水深が深いと暗くて見えにくいですね。視覚強化魔法をおかけします】
アカリが魔法を唱え終わると、今まで薄暗くて見えにくいところまでよく見えるようになった。
【アカリ、クラーケンに気づかれないように近づくことはできるか?】
【かしこまりました。つきましては水流魔法の主導権を握らせていただきます】
そういうとアカリはクラーケンの足のある場所を右から迂回しつつクラーケンに近づいた。
大陸棚に着地すると、俺たちはのぞき込むような形で左側に見えるクラーケンを観察する。
崖にしがみつくような形で佇むクラーケンの姿を見て俺は生きた心地がしなくなった。
全長は100メートン、おおよそ足の長さと体の長さが半々ぐらいだ。つまり先ほどまで見えていた足は先端の5分の1しか見えていなかった。
本来であれば真っ白であったはずのその体も長い年月を経て、黒ずんでいる箇所もあれば苔が生えているのか緑色の箇所もある。とてもイカとは思えない。
そして胴体と足の境目辺りにある大きな目は俺のいる位置からは片側しか見えていないが、結膜の部分は黄色く、角膜の部分は白く変色してしまっていた。あいつ目見えてるのか?
【おそらく目そのものは老化で失明しているでしょう。しかし、ランクの高い魔物は空間認識魔法を使うことが出来ますので生きていく上では支障はないかと思います】
なるほど、目が見えない分魔法で補っているのか。どちらにせよあの眼で睨まれたくはないな。
「タクミ!あれを見て!!!」
ルーシーが突然大声を出した。
「おい!そんな大きな声を出したら気づかれるぞ!」
「いいから!あれを見て!」
ルーシーが指差す先に目を凝らす。
するとちょうどクラーケンの見えない目の視線の先、つまり崖の側面部分だが、5、6匹の魚が見えた。
「魚がいるぞ、それがどうしたのか?」
クラーケンが狙ってるだけだろ?
「あんたの目は節穴なの!?もっとちゃんと見なさいよ!」
そう言われても俺の視力ではそれが限界だ。
【!!!タクミ様、視力を上げます】
何かに気づいたのかアカリが俺の視力を上げてくれた。
「いったい何が、、、!!!!!」
拡大して見えた魚は、、、下半身が魚で上半身は人間の姿をしている。そして一人は茶色の長い髪だった。
エラたちが危ない!!!!!!




