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第20話 いざ合戦へ その2

 ボン!!!

 先頭を歩いていた2匹のゴブリンは宙を舞う。

 ズルッ、、ドーン!!


 木にぶつかって地面に投げうたれた体はすでにこんがりと焼かれていた。

 最初はあっけにとられていたゴブリンも今は怒りの目で俺を見ている。


「うわっ!大分綺麗に焼いたなアカリ」

 思わず口から声が出る。


【はい、火力調整は私が完璧にしましたから。初手としては上手くいきましたね。ゴブリンどももいい目をしています】


 アカリの言う通り、最初の段階としてはうまくいったな。ただ、ゴブリンたちのブチギレモードがめちゃくちゃ怖い。「お前が件の奴か」って顔が言ってる。ちょっと後ろ!関節ポキポキ鳴らさないで!


「さて、かっこいいセリフを言って、一発目の攻撃も当てたし、、、、、逃げます!!」

 俺は華麗なターンを決めると全速力でダッシュを始めた。そういえばジャイアントイノースの時も逃げたよね。


「ガ?ガガーー!」

 今度は別の意味であっけにとられていたゴブリンもすぐに俺の後を追いかけてきた。


【、、、つくづくダサいですねタクミ様】

 絶対にあの青い瞳がジト目になっていることだろう。俺だってダサいと思う。でもこれが今回の作戦の要なんだ。勝つためだったら手段は選ばないよ!


【、、、、そのセリフもダサいですよ】

 うん、黙っていてください。


 その後しばらく走っていると


 バサッ!

 上空からオリビアがルーシーを抱えながら降りてきた。


「みんな立ち位置に着きましたわ!」

「あたしもタクミに言われた通りやってきたよ!」

 オリビアとルーシーが一緒に走りながら俺に教えてくれる。


「了解!オリビアも位置についてくれ!幸運を祈る!」

「かしこまりましたわ!タクミもルーシーも後は頼みますわ!」


 そう言い残してオリビアは飛び去って行った。


「ルーシー!案内を頼む!」

「まかせて!」

 俺はルーシーに先導をしてもらいながらダッシュする。すると木の横に赤いバラが巻き付けられた木が見えてきた。あそこが最初の目的地のようだ。俺たちはその横を駆け抜ける。


「合図したら発動だ!」

 俺は後ろのゴブリンの大軍を見ながらルーシーに指示を出す。


 すでにゴブリンの隊列は乱れているが森の中で障害物が多いからか縦長の集団になっているのは変わりない。


「3、2、1、、今だ!」

 俺はルーシーに合図をした。


「いくよ!眠れる大樹の種よ!今目覚めたまえ!」


 ルーシーが呪文を発動した。するとゴブリン軍団の中程に大きな木が猛スピードで何本も生え、後方のゴブリンたちの行く手を遮った。そのおかげで俺とルーシーを追いかけるゴブリンの数が減る。


「さあ次の場所に行くぞ!」

「うん!ついてきて!」

 そして次は黄色いバラが巻き付けられている木のところで罠を発動した。


 この時点で俺たちを追いかけるゴブリンの数が最初の時の3分の1ほどになった。

「上手くいったな。」

「うん!ゴブリンの数を分散できたよ!」


 俺たちの目的はまさしくこれだ。単純に考えて120匹に6人で戦うよりも40匹を2人で相手したほうが連携も取りやすいし相手の数の力も削ぐことが出来る。


 ちなみに俺のところは他の2組よりもゴブリンの数が多い。後はそれぞれの勝利を祈るしかない。


 俺たちが足を止めるとゴブリンたちは周りを取り囲んで逃げ道をふさいできた。

 まあもう逃げないんだけどね。


 俺とルーシーは背中合わせになる。

「タクミに背中は任せたからね!それにあたしより多く倒してよね!」

 ルーシーはグリーンスピアーを作り出す。


「ああ任せとけ!」

【アカリ、装備を頼む】

【かしこまりました。ファイヤーソード創出、身体強化、剣術ナビゲートを発動します】


 目の前の地面に魔法陣が描かれ中心から真っ赤に燃える刃を持つ剣が出てきた。そばにいるだけで心なしか熱く感じる。前回より魔法のグレードが上がったな。


【当たり前です。今回は想定外の事態ですので万全の対策をいたします】

 アカリもマジなようだ。


「ゴブリン!逃げ回って悪かったな!ここから全力でいくのでよろしく!」

 俺はファイヤーソードを地面から引き抜きゴブリンに向かって走り出した。


<目の前に複数体のゴブリン、プラスゴブリンを検知しました。これよりナビゲートを開始します>

 アナウンスが始まる。


 俺がゴブリンのいるところに突っ込んでいくとゴブリンの持つ武器が光って見えるようになった。よく見ると武器の通る軌道が光っている。


 だから光に当たらないようにするだけでゴブリンたちの攻撃は一切当たらない。


 光を避けながら目の前にいたゴブリンの頭めがけてファイヤーソードを振り下ろす。


 ゴブリンは慌てて自分のこん棒で攻撃を防御しようとしたが武器の相性が悪かった。瞬く間にこん棒は燃え上がる。


 ただそれに気付く前にゴブリンは頭から真っ二つになり、その体も燃えてなくなってしまう。


 一瞬の出来事にゴブリンたちは後ずさる。おいおい逃げようとしても無理だからな。今回は一人残さず倒すぞ。


 俺はどんどんゴブリンを切りつけていく。ちなみに俺にとってゴブリンもプラスゴブリンも大差はなかった。だって切ったら燃えちゃうからね。


 ルーシーの方を見てみるとプラスゴブリンに手こずっていた。ゴブリンは前回同様ツタを絡ませて倒していたがプラスゴブリンの方は引きちぎってしまうのでなかなか致命傷には至っていない。


「そうだ!タクミ!!ちょっとこの槍の先端に炎魔法ぶつけてくれない?」

「なんで?」

「いいから!作戦があるの!」


 俺はルーシーに近づき、言われた通り炎魔法をぶつけた。予想通り槍が燃え始める。これじゃ槍がなくなるだけだと思ってみていたが、一向に燃え広がらない。


 驚いてもっと詳しく見てみるとどうやら燃えているところだけルーシーが魔法で植物を成長させているようだ。


「名付けて即席ファイヤースピアー!」

 そういってもう一度プラスゴブリンに槍をぶつける。今度ツタと炎が相まってプラスゴブリンを倒すことに成功した。


「やるじゃん!」

「まあね!」


 俺たちはその後もゴブリンを倒していく。そして


「ガッ、ガー、、、」


 最後の1匹が息絶えた。辺りに静寂が訪れる。


「ふう、お疲れ様」

「お疲れ!無事に倒せたね!」

 ルーシーも安堵の表情を見せた。


「でもまだ休めない。他のメンバーのところに行くぞ!」

「うん!終わってなかったら加勢しなきゃね!」


 俺たちはその場を後にして再び駆け出した。

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