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悪魔より怖い男  作者: 315
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目を覚ました先で

氷川賢治目線です

2017/9/4 持ち物にロケットペンダントを追加しました

 目が覚めたとき、ひどい倦怠感に襲われた。右腕が動かない上に肩はジンジンする。さらに右目も痛いし見えないし、そもそもここはどこだ。とりあえず室内にいることは分かった。何に横になっているのだろうか。ものすごくチクチクする。とりあえず左腕は動くようだから右腕を確認してみることにした。

 は? 無い! 無い! 右腕が無い!! 痛い痛いっていうより熱い滅茶苦茶ジンジンする。

「あぁあうあぁあぐぅっ!!」

 ベッドのようなものから転げ落ちて床をのたうち回った。そして懸命に歯をくいしばって痛みを耐えようとする。扉を開ける音がした。何か入って来たみたいだが構ってられない。

「e3818ae38184e38081e38182e38293e3819fe5a4a7e4b888e5a4abe3818b!」

 何かしゃべってる。頼む、助けてくれ!

「だのっむ、たずげ、ぐだざっいっ!」

「e6af8de38195e382930d0a! e98eaee7979be3839de383bce382b7e383a7e383b3e68c81e381a3e381a6e3818de381a6e3818fe3828c!」

 ちらりと見ると背丈がだいぶ低い老人だった。少しするともう一人入ってきて、いきなり僕のことを押さえつけた。もう一人は手に赤い液体の入った瓶を持っている。背が低いわりにすごい力で押さえつけられる。

「あぁうがっうぇおっ!痛いっ止めって! んんんー!?!?」

 そして僕の口に液体を流し込んだ。ほんのりと甘い、気がする。飲んでしまった。

「うぉえっ、ゲヒュッガッハッ! 」

 しばらくすると痛みが引いてきた。そのおかげか少し正気を取り戻せたようだ。最初に話を整理しよう。思い出せる最後の記憶は確かあの装置に入ったあと閃光に包まれたんだったな。それで気づけばこれだ。

「そうだ、ここはどこだ? 沙織は聡はどうしたんだ?! 無事なのか!?」

 いや、待て落ち着け。焦っているのは分かるがまずはお礼を言わなくては。きっとこの2人が僕をここに運んでくれたに違いない。

「ありがとう。君たちが僕を助けてくれたのかな?」

「?」

 老夫婦と思われるふたりは困ったように顔を見合わせていた。どうやら日本語が理解できないようだ。確かに日本語で話しかけたのは間違いだった。

「umm, can you understand what I am saying ?」

「?」

 どうやら伝わっていないようだ、参ったな。どうしたら良いかと悩んでいると突然お爺さんがしゃべり出した。

「e6af8de38195e38293e38284e38081e8a880e89189e3818ce3828fe3818be38289e381aae38184e38288e38186e381a0e3818be38289e4bfbae3818ce69599e38188e381a6e38284e3828be38288」

「e38198e38283e38182e7a781e381afe38194e9a3afe381aee794a8e6848fe38292e38197e381a6e3818fe3828be38288」

 何を言っているのか全く分からないが、お婆さんの方が出て言ったから一応話し合いは終わったみたいだ。お爺さんの方はしばらく何か考えてから椅子を指差して何か言っている。

「e6a485e5ad90 e6a485e5ad90」

 言葉を教えようとしているのだろうか?それならありがたい。今の状況を知るには言葉を理解しなくてはならないからな。

 


  * * * * * * * *

 

 どれくらい経っただろうか。外は日が暮れかかっていた。結局あれからのは椅子・天井・床・ベッド・座る・立つという言葉を教えてもらった。それから、お爺さんが服を持って来てくれた。着ていた服と白衣は処分されたのだろうか。部屋でお爺さんと2人きりで気まずい空気になってきたかろ、どこからともなく良い香りがしてきた。

 お爺さんが立ち上がって手招きをしてきた。どうやらお婆さんはご飯を用意しに行っていたらしい。利き腕を失ってしまったが上手く食べられるだろうか。

 1階に降りていくとパンとスープとよく分からないものが並べてあった。ちなみに先割れスプーンで食べるみたいだ。お婆さんと言葉を教えてくれたにのとは別のお爺さんが座っていた。皆が揃うと食べ始めるみたいだ。

 いただきますと、胸の内で唱えた。スープから食べることにした。豆のスープのようだ。うん、味が薄い。続いてパンを食べようとしたがかたくて食べにくい、はっきりいって美味しくない。周りを見てみると、パンはスープに浸して食べるみたいだ。自分もそうすると少しは食べやすくなった。最後によく分からないものだがよくよく見ると巨大な虫だったため一気に食欲が失せた。

 そんなこんなで食事の時間は終わり、解散した。僕は言葉を教えてくれた方にさっきの部屋まで案内された。そこに連れて行かれてからお爺さんは出て行った。

 さて、ようやく1人になったから、そろそろ話を整理することにした。おそらく、瞬間移動には成功したが誤作動でどこかにとばされたのだろう。これはいい。じゃあ、ここはどこだ。僕の予想ではここはカナダとアメリカの国境付近な気がする。あくまで希望ではあるが。ただ、外を眺めた感じ生えていたのは広葉樹だった気がする。

 次に、彼らはいったい何ものなのか。なぜあんなに背が低いのだろうか。162cmの僕より20cmほど低かったぞ。いや、もしかしたら老化現象でかなり背が低くなったのかもしれない。……流石にそれはないだろう。それから、彼らの話す言語は何語だろうか。もしかしたらヨーロッパまでとんでしまったのではないだろうか。

 後は、自分の持ち物を確認してみるか。スマホがあればなんとかなるかもしれない。……ビー玉赤 青 緑 黄・トランプ 1デック(タリホー)・飴玉 ぶどう味4つ・ロケットペンダント(妻の写真入り)・ペニー 1枚 以上だ。……終わった。 今日はもう寝よう。



  * * * * * * *


 あまり眠れなかった……お腹痛い。僕はここで生きていけるのだろうか。早く帰りたい。

タリホーはトランプの種類らしいです。

ペニーは1セント硬貨です。

2017/9/8 デッキ→デック

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