プロローグ
初投稿です。数千番煎じかと思われますが読んでいただけるとありがたいです。
アメリカ西海岸の一軒家、氷川賢治は満足げに声をあげた。
「やった、ついに完成だ! 」
彼は妻を呼びに行く。
「沙織! やったぞ! 瞬間移動装置が完成したんだ!」
「え!? 本当なの! あ、ちょっとあなた聡が起きちゃうじゃない」
彼女も喜びの声をあげたがすぐに我に返って夫に注意をした。
「ボク、おきてるよ?」
「おぉ! 聡、お父さんが今からすごいもの見せてあげるぞ」
「なにみせてくれるの?」
「とりあえず、ガレージにおいで」
賢治は2人をガレージへと招き入れる。そこにある2つの機械を交互に指差しながらこう言った。
「これからお父さんがこの機械からあっちの機械にヒュッて移動してみせるよ」
「すごい! ほんとにできるの!?」
聡は4歳児らしいはしゃぎ方をする。沙織も嬉しそうに言う。
「これで、うちの家族も少しはあなたを見直すんじゃない?」
「義姉さんの娘の出産祝い持っていかなかったこと相当怒ってたからな」
「ていうかあなた、会いにすら行かなかったじゃない」
「ま、その話はいいだろ。早いとこ瞬間移動してみせるから」
そう言って賢治は準備に取り掛かる。装置の電源を入れ、タイマーをセットし機械の中に入り扉を閉める。カウントダウンが始まり0に達したとき、雷が落ちたかのような音が轟いた。辺りは機械の破片が散乱し沙織はとっさに泣き叫ぶ聡を庇った。
「危ないっ」
破片が背中に刺さる。それでも彼女は聡を庇い続ける。
すぐに隣人が駆けつけた。
「what the hell is going o...... holy shit! jennifer call an ambulance hurry ! 」
数十分後、救急車が到着し、彼女は病院に連れて行かれた。しかしガレージのどこを探しても氷川賢治の姿はなかった。見つかったのは右腕と思われるものだけであった。