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月曜日の憂鬱

初投稿です‼よろしくお願いします。

16時40分。下校時間。

今日も傷つかなかった。

カバンを持ち、はじき出されるように教室から出る。廊下にも、校庭にもまだ誰も出ていない。いつも通り、私がトップのようだ。生徒たちの騒音のような雑談をBGMとして、階段と玄関を突きって校庭に出る。三分もかかってない。これが競技だったら表彰ものだ。

 怯えた獣ように、まだ校舎に残留している生徒を見る。

 (無邪気に笑って…。奴らは人に対して、罪悪感も何もないのね…)


 腐食が進みぐずぐずになった落ち葉を踏み踏み、学校から遠ざかる。もう敷地内から出たというのに、談笑が聞こえてくる。

(マニキュア、マニキュアうるさいなあ。そんなもん、一日で落とすから意味ないでしょ…。

一日着飾って何になるんだ…。……。あー、マニキュアしたい)


閑静な住宅街を抜け、駅前のシャッター街につく。全体的にさび付いており、ここだけ世紀末の世界のようだ。ここで何かをやることなどないので、たいていは静まり帰っているのだが、今日は何やら騒がしい。不良どもたむろしているのか?

なにかと思えば、ギターを持った男に、酔っ払いのサラリーマンが絡んでいた。

「下手クソォ~、何度言ったらやめるんだこんちくしょお~」

語調は伸びているが、大柄で目つきの鋭い男だ。ギター男は恐怖か傷心からか知らないが、涙目になっている。

ギター男は、男がやめろというのに、ギターを弾き、涙声で歌い始めた。

~乾く、乾く、青色の太陽に照らされて~

下手くそだ。ギターは低音になったり、高音になったりして耳が痛いし、声がめちゃくちゃ低い。それに歌詞もミミズのことでシミたれている。

ギター男は、歌い始めてから、先ほどとは一転して笑顔になり楽しんでいるようだ。

酔っ払いの頭には重低音がよく響くのだろう。

「下手クソォ~、辞めろぉ~」

と呻き、ギター男とは打って変わって苦しんでいる。

 男の呻きを瞬間にギター男の表情が陰り、また涙目になる。男の言葉に傷ついたらしい。

(傷つけられることを予測して、予防線を立ってないのかこの人は…。今までどうやって生きてきたんだ…)

「…モウいいよッ!」

 しばらくたって、酔いがさめたのか、酔っ払いがギター男に呆れて、駅の方にずかずかと歩いていく。

意地を張っていたのか、ただ曲が終わっただけなのか、わからないが酔っ払いが見えなくなると歌を歌うのをやめた。

(意地だろう、あれは。意地なんて張ってもしょうがないのに…)

ギター男の意地を張っている姿を見って、なんだか少しイライラした。

ギター男をねめつける。ギターを片付けて、うなだれていたギター男がいきなり目を上げた。こちらと目が合った。やってしまった…‼とても気まずくなり、うつむき加減で駅に逃げる

 

 「最悪だ…」

 電車の案内板には、最悪の文字が流れていた。そこには、私がいつもの電車に乗り遅れたという事実が書かれていた。つまり、次の電車の案内が表示されていた。これは非常にまずい。次の電車では奴らとバッティングする‼

 心臓の鼓動が早くなり、冷や汗が出てきた。鼓動が早くなっているというのに体が冷えていく。それもそのはずだ…。ここで奴らを回避する手段など存在しないのだから。鼓動が大きくなっていく。まるで心臓の中に太鼓打ちがいて、心臓をめちゃくちゃに叩いているよう思えてくる。このままでは卒倒ものだ。落ち着かせなければ!

(冷静になれ…‼冷静になれ…‼冷静になれ…‼)

逆に焦って、鼓動が大きくなる。焦りすぎた!冷静にすることなどいつもしている事なのに。しくじった。正しいやり方を思い出し、実行する。

 ―人は絶対に傷つく―

 と心の中で念じる。先ほどの血流の乱舞が嘘のように収まり、心の恐怖も薄れる。魔法の言葉だ。念じるだけでたちまちに体も心も屈服させることができる。

 いつもならこれで終わりだが、今回は動揺が大きかったので念のために暗示もかける。

 (お前には味方などいない。お前がうろたえても誰も助けてくれない。うろたえても無駄だ。無駄なことはやめろ)

 これでひとまずは安心だ…。心に余裕ができたせいで、こんな目に合わせた元凶のことを思い出す。あのギター男だ。胃がムカつく。

 「…ギター、はじけ飛べ」

 誰にも聞こえない小さな声で罵り、フラストレーションを解消する。

 そうこうしている間に電車が到着した。

 電車の車内を見て、気づいた。混雑した電車の中で特定の個人を見つけるのほぼ無理だ。

(意味ね…)


文章下手なので、指摘して下さるとうれしいです‼

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