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俺と始まり

今回も長めです。

 皆さんこんにちは。烏間です。

 只今私は新しい深夜アニメを鑑賞しています。

 そう、幽霊と一緒に。

 何ともシュールな光景でしょう。

 正直アニメは面白いっちゃ面白いのですが、隣の幽霊が(怖い意味で)気になってあまり集中できません。


「あ~面白かった~。」


 幽霊が満足げに伸びをした。

 そして俺はするべき質問を幽霊にした。

 本当はまだ怖いがしなければ進展しないと思ったからだ。


「それでだ、えーと・・・。お前はいったいなんなんだ?」

「アタシ?アタシは・・・真樹!」

「いやいや、名前を聞いてるわけじゃ・・・いや、それもあるけど・・・そうじゃなくて、お前は何でこの部屋にいるんだ?」


 俺の質問に対し、幽霊・・・もとい真樹は少し間を開けて答えた。


「う~~ん・・・実は覚えてないんだよね~。気が付いたらここにいた感じなの。」


 それを聞き、あること・・・・に気付いた俺はさらに質問してみた。


「もしかして自分の本名も覚えてなかったり?」

「うん。名前のほうだけは覚えているんだけど・・・。なんで死んだのかも覚えてないや。」


 やっぱり・・・。

 最初の質問に対して間を開けて答えたからもしかしてと思ったのだ。

 なんかのオカルトに関する本で、こういった生前の記憶がない幽霊は死んでも成仏できずにこの世をさまよい続けると聞いたことがある。

 それって普通に死ぬよりも辛いんじゃないか・・・?

 いや待て。

「じゃあなぜ今日がな〇はの放送日なのを知っているんだ?」

「アニメに関することは覚えているの。なんでか知らないけどね。」


 ・・・何故そっち関連は覚えているんだ?俺も人のことを言えんが。

 俺がそう思い耽ると


「でもおにーさんって・・・ちょっと変わってるね。」


 と真樹が唐突にそう言ってきた。


「え・・・?何故に?」


 と俺が聞くと


「だってアタシを見ても逃げなかったじゃん。今までこの部屋に来た人はみんなアタシを見た瞬間悲鳴を上げて逃げたからね。」


 と答えた。そう言えばそうだ。

 俺はある理由・・・・から他人が嫌いになった。

 ひどいと言われるかもしれないが自分の家族すら信用していない。

 俺が信用できるのは数少ない友人と一部の人間だけだ。

 しかし、この幽霊と一緒にいると他人といるときの不快感がわかないのだ。

 幽霊だから当たり前だろうといわれるかもしれないが、おそらく目の前の少女が普通に生きててもそう感じないとなぜか確信を持って言えるのだ。


「それでね・・・おにーさん。」


 なぜか真樹はとても言いづらそうに言った。


「えっと・・・。まだこの部屋にいてもいいかな?まだアタシ成仏できなさそうだし。それに、まだ見たいアニメたくさんあるし…ダメ?」


 真樹のその頼みに対し、俺は・・・




 「いいよ。」


 と言った。

 それを聞いて真樹はうれしそうに言った。


「・・・ありがとー。」



 こうして俺と真紀の奇妙な同棲生活が始まった。

次回は二人?の一日。

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