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短いです。あと、作風違いますが、別の作品「魔神少女と孤独の騎士(旧:異世界で魔王になる方法)」が書籍化したので、活動報告などでチェックいただけると嬉しいです。原稿作業中に頭がパーンして、突然魂の解放でタラオ書きたくなりました。

 諸君、ごきげんよう。今日もタイラントは平和……かどうかは分からない。

 このタラオは……別ゲーにッ浮気していたッッッ

 ギルドの掲示板に『別ゲーに浮気します』と書いて、二度とログインすることもなく、存在だけ知っているが、顔あわせたこともない古参面子の香り……に、しみじみ、切なく寂寞スメル感じてもいたこともあるタラオですけど、別ゲー……ビッグタイトル……浮気するよね?

 ちょっとだけのつもりだったんだ。でも、ほら、レベラゲ厨って、そういうもんだろ?

 は~~~この武器上限突破しないと、あんまり使えないんだ~~~~~スキルは、成功するまでひたすら連結ね~~~~成功率100%にするには、レア素材がいくつもいるんだ~~~~~ふ~~~~~~~~~~~~~ん……からの周回ッにつぐ周回ッ

 舐めるな。俺が一番強い。弱いけど、強い。強くなるぜ。周回はパワー。パワーは周回。

 ハハハハハハハハ!

 って、気づいたら、めちゃくちゃはまっていた。怖い。掲示板の書置きも、似たような人だったのかな。書置きするだけ、えらいよね。タラオは、突然の失踪してます。ギルメンやフレンドルームも人数上限あるのに、ご、ごめん。すぐもどる。強くなったら、戻る。強くなるまで、もどれねえんだ。

 とかなんとかやってるうちに、月日は洒落にならんくらいに、流れに流れて、●年……OH……

 とか思ってたら、SNSに、タイラントの新実装大型アプデの広告やファンの声流れてきてね。

 いやー……って目が遠くなって、あ~~~~何この武器、新実装衣装ホロ、超かっこいい~~~~私ならきっとドロップする。とかいう根拠のない自信と万能感に支配され、ログインしたくなり――

 軽く浦島太郎の気分で、タイラントの世界に降り立った。

 うーん……フレンド……消えてるひといっぱーい。わーい。そうだよねえ。

 ギルド除名されて……ないし、フレンドルームも……除名されてない。えっ、いいんすか。

「あ、タラオさ~ん! ひさしぶり~~~~、う、うわー、ひさしぶり~~~~~」

 いつも黄金タイムはログイン勢、愛らしい二等身種族のルーミーさんがフレンドチャットで話しかけてきた。この人、あいかわらず、新規迷宮実装時は、死体が山積みでいいね、とか言ってるのかな。二等身なのに、中身ガチ勢だからね、このひとは……

「タラオさんの紹介してくれた本、とってもおもしろくて、今月新刊出るのたのしみなんです」

 ●年前に、面白い本はないかと言われて、紹介したやつの新刊、今月出るのよね。あれ、この会話、●年前も同じのしなかった? この世界もしかしてループしてる?

 とか一瞬バグったが、大丈夫だ。私は正常だ。

 凄く楽しみらしくて、ルーミーさん超興奮している。誰かに言いたかったようだ。

 あー、いつ降り立っても、今日は、昨日の続き、いる人はいるんだなあって、微妙に胸いっぱい。

 ルーミーさんと話したあと、町の様子見ながら、歩いてると、ログイン欄がグレーから明るく点灯したフレンドたちが、時々声かけてくれる。

 誘ってくれる人もいて、しばらく冒険した。

 その後、ルーミーさんの紹介で、リアル高校生知人同士という男女ふたりと、パーティ組んで何度か冒険する。男の子は、ヨリくん。女の子は、ルカちゃんというらしい。どっちも、人間種族だね。あ、今別のユーザーの頭に出てる名前見たら、キ〇トさん、まだいるのかw

 それはともかく、ふたりはいつもセットで、よく一緒にプレイしている。あータラオ、知ってるぅ。こういうの、相方って言うんでしょ。オーケーオーケー、あんまり邪魔はしないとこー。

 んで、ある日、片割れしかいないのを見て、深く考えずに聞いたのよね。

「あれ、相方はどうしたの?」

 そしたら、ルカちゃん言ったよね。

「え? 相方って誰ですか?」

 こいつ……めちゃくちゃ澄んだ目してやがる。

 聞いていた別の女性プレイヤーが「……」と打った。その後返事がない。もんどりうって笑っているようだ。

 ちなみに、聞いていた別の女性プレイヤーは、ご丁寧に、ヨリくんにそのことを伝えて、めっちゃげらげら笑ってた。相方認識されていなかったヨリくん。

「ル、ルカ~~~~~~~~~」

 って文字が、なんだか哀愁まみれて、私もすまん、げらげらげらげら笑いました。

 

 今日もタイラントのお空きれーい。

 

 

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