クロ・ウーマン 仙人とカラス
何？ 仙人境の事も 知らないで
この お話しを 読むつもり 大丈夫？
ならば 教えて あげよう
仙人境とは、亜空間に存在する 途方もなく
広い世界 鳥はさえずり 花咲き乱れ 蝶が舞う
その仙人境に 入るには 亜空間の穴を潜りぬけ
仙人境の 門の前に立つ 門の前 左側に
巨人 牛獣人 右側に やはり巨人 パンダ獣人が
睨みを効かせ 無言で 立っている
その巨人に 臆する事なく 仙人境と人間界を
隔てている 門を開けなくては ならない
では どうやって開けるのか その前に
門の内側について
野球のグランドくらいの 広場中央に
一本の木が 枝ぶり良く 生き生きと 生えている
実が ３つなっている その実を 一口食べると
この世界 ありとあらゆる事 森羅万象を
理解できる 二口食べると 不老不死となり 三口
食べると 人間にはない ありとあらゆる
超能力が身につく まあ 仙人のようになる
龍仙人は ときどき 気まぐれに 人間界に 遊ぶ
遊び疲れ イヤー仙人だから 疲れないチューの
遊び飽きたのよ 仙人境に 戻る為 手に持っている
杖を縦に持ち 左右に ゆっくり振る すると
何も無かった 空間が ゆらゆか 揺れる よーく
見ると その奥の方に 大きな 門らしきものが
見える 仙人 ひょいっと 中に ジャンプする
門番の獣人が おかえりなさいませ と
言い終わらない ウチに 仙人が 右手を門に向かい
軽く振る 門が音も無く 消え失せた
スッート 仙人が中に 入って行く
亜空間通路少ずつ 消えていく 大きな門もそれと
連動する如く 元の場所に 現れる
その時 一羽のカラスが 不幸にも 消えかかっている 亜空間通路を 通り 人間界と仙人境の
扉が姿を現す 僅かな隙に
仙人境に飛び込んで しまった
龍仙人 まだ気づいていない カラスは真っ直ぐ
飛び続ける その先に 枝ぶりの 良い木が
あるのに気付く
何！カラス なんと 仙人が カラスの
侵入に 気付き 間髪を入れず 杖を カラスめがけ
投げつけた カラスは 木にたどり着いていた
見ると美味しそうな 実がある 食べようと
クチバシで一口 そして もう一口
突いた時 頭に 強い衝撃が
仙人の投げた 杖が頭に当たり そのまま頭を
上にしたまま ずるずると 枝伝いに 落ちて行った
フーッ やったか 死んだな
カラスは 死んだはずだった
しかし 一口食べて 知恵が付いた もう一口は
実を突いただけ クチバシの中にある 頭を上にして
落ちたので その実が ゆっくりと喉を通って行った
死ぬ寸前 不老不死となった 仙人は その事を
まだ知らない あらゆる知恵が 身に付いたカラスは
もう後 一口食べると 仙人のようになれると
知っている 死なずに済んだが さすがに
実の所まで 飛ぶ為には もう少しだけ 体力の
回復を待たねば
どうやって 侵入して来たのか？仙人が
一人言を言いながら カラスに 近づいて来た
戻った 完全ではないが これ以上 仙人に 近くに
来られてはまずい 意を決して 飛び上がり
三口目をついばむ
まずいぞ 仙人 落ちている 杖を遠隔操作して
カラスめがけ 打ち付ける
遅かった カラス 仙人の力を 身に付け終えていた
んーなんと！
カラス ゆっくりゆっくりと 身体が 大きくなって
ほぼ人間と 同じ大きさになり 手と足も人間と
同じようになる 羽はあるが 透明になった
黒い羽は 全て抜け落ち 白い肌が現れた
まずいまずい こんな所で 真っ裸になられては
お巡りさんに 逮捕される 服を着せよう
JK 女子高生の 姿が そこにあった
なんと お前 メスだったのか？
バカか だから 題名が
黒・ウーマン つまり 黒い 女 通り名は
クロウ
クロウ誕生
なるほど お前美人だな 美人は好きだ
この仙人境に 住まわせやっても 良いぞ
私は 故郷に戻りたい
このワシと ここで暮らせば良いじゃないか？
ここもよく見ると 良さげだが
生まれ育った 名古屋へ戻りたい
生まれてから まだ2年だが 幼馴染もいるし
名古屋弁が 大好きだぎゃー
まあ 戻りたければ 戻れば良いさ
どうやって戻る？
正式ルートは 門を開け そこに亜空間通路を作り
戻りたい場所に繋いで 進んでいく
しかし そんな事しなくても 今のお前なら
瞬間移動の術で簡単に どこでもいけある
ただし この仙人境には このワシが結界を
張り巡らしたから お前さんが 通れるよう
少し緩めてやろう
ありがとう
名古屋の景色を 強く念じ この仙人境から
消失した
大丈夫かな？ 初めてのフライト
まあ この地球のどこかに 降り立つであろう
着いた先は？あらすか？
寒い 凄く寒い
