5話 「発熱」
「いただきます。」
朝食の時間。ひよりは回復したかのように体を軽々起こすとぱくぱくとモノを口にほおり込んだ。
「元気になったの・・・?」
ひよりはこちらを向いて。にっこりと笑った。
言葉は何もなかったけれど、理樹には解った。
『元気だよ。』
そう聞こえた。空耳にすぎないけれど。
「あぁー・・・なんだかなぁ。。。」
頭が鈍く痛いし、体が少し重たかった。
ずっと体が寝台の上にあるんだからそれも仕方がない事。
「やっぱり食べれないや・・・気持ち悪い。。。」
ひよりは箸を置いた。飲み物で口の中のものを流し込んだ。
しばらくずっと自分の残した食べ物を眺めていたが、病室の扉が開いた。
「検温の時間ですよ。」
「36.6ですね。次は理樹君ね。」
わきに挟んだら、結構早い時間ではかれる体温計。
最近の体温計にもう懐かしい温度計のようなものはない。
病院だとだいたいがこんな感じだろう。
「あらら・・・37.8あります。熱ですね。」
看護師はぽんと手をたたいた。
そして少し恐い顔をした。
「昨日雨にぬれてたからよぉ!あの後すぐに着替えなかったんでしょ?」
さんざん叱られ、ぺこぺこと理樹は頭を下げた。
最後には「しょうがないわね」と看護師さんが布団をかけてくれた。
けれど、彼女が病室から出るとその布団を勢いよく蹴った。
「はぁ・・・ね、ひよりちゃん。プレゼントがあるよ。」




