4話 「雨」
病院の庭へとやってきた。本当は雨が降っている日に子供は外へ出られない事とされている。でもしょうがないんだ。元気になってくれるなら。
「あった・・・!」
理樹はさっと何かをつかむと、他にはないかとずっと庭をうろうろしていた。
小さな体に滴る雫はそれだけ冷たいものだろう。
6月とはいえ、やっぱりまだ寒い。少しだけ。
「あと・・・これもいるかな。」
その時だった。誰かがこちらへ向かってくるではないか。
「こら!どうして外にいるの・・・?」
理樹は走りだした。看護師さんに見つかってしまったのだ。
今右手に握ってるものがバレたらきっと怒られるし、部屋へ連れ戻されてしまう・・・!?
雨は激しさを増していく。冷たい冷たい。
とりあえず大きな木の陰に逃げ込んだ。
看護師さんも気づいてはいないから、近い方のドアからだと気づかれないだろう。
それに入ればすぐエレベーターがある。
なんとかバレずにエレベータに乗り、元いた自分の病室まで戻った。
びしょびしょの体。ひよりは・・・寝ていた。
少し顔色が良くなったようだ。よかったよかった。
「ふぅー・・・」
理樹はびしょびしょになった服を脱いだ。
そして、さっき拾ったものをベッドの横の引き出しへ入れた。
「濡らした方がいいかな・・・?」
ティッシュペーパーを取り、ぬらし、それも一緒にしまった。
「明日はいい日になりますよね・・・。」
そう呟き、理樹は服を着がえる。
雨は少しずつやんできたかもしれない。




