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  作者: 谷山沙羅
3/18

3話 「明日」

6月の中旬に入り、すっかり梅雨モード。

空が笑う日なんて珍しい。

2人の会話も曇ったままだった。

ひよりはまた窓の外を見ている。ひよりは息をしていない人形のようだ。

長い髪に、すらりとしたからだ。

くっきりとし、大人びた顔つき。本当の作り物のよう。

理樹は退屈していた。2人の間の会話もとぎれとぎれ。

どうやらひよりの体調はそれほどいい訳ではないようだから。

食べたものはすぐもどすし、体を起こすのも苦しそう。

手をさしのでても、その手を握ろうとはしなかったから。

病室を1人で抜け出す。

目の前には長い長い廊下が伸びる・・・。

誰も歩いている感じはない。そりゃそうだろう。

どこかの漫画やアニメは結構通行人がいるが、病院の廊下にそうそう歩いている人はいないだろう。


「あ、あなたは理樹くんだったよね・・・?」


看護師さんがこちらへやってくる。

理樹の肩に手をかけた。


「最近ひよりちゃん体調悪いんでしょう?心配にならない・・・?」


理樹は最初は会わせていた目線を自らそらした。


「いえ、それなりには・・・」


「うんうん。そうよね。 そういえば明日はひよりちゃんの13歳の誕生日なのよね。 元気に誕生日を迎えられるといいけど・・・。」


理樹は少しひきつった顔で言った。


「そうですね・・・。」


だってひよりの話を自分にされたってどう答えたらいいか・・・。

でも明日が誕生日ならば何か用意せねば・・・。


「そうだ・・・。」



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