14話 「崩壊」
気付くとそこはさっきの廊下。
あんなに人が歩いていたのに・・・どうしてこんなところに1人なんだろう。
不思議な事に、足の裏に冷たい感触を感じる。しっかりと。
ちゃんと自分の足でひよりは立っていたのだ。
床が冷たいのがこの季節にしては不自然だが・・・暗い病棟。
なんとなくここから抜け出さなければ取り返しのつかない事になるような気がした。これもよく解らないけれど・・・。
とにかく走った。久しぶりだ。自分の足で走る事なんか。
とりあえず玄関へ出たのだ。
そしたらそこは・・・回りの建物がくしゃくしゃになった場所だった。
病院の前には小さな保育所があった。その隣には知らない家。
赤い家の屋根の家はどこへいったの?
あの公園の遊具はなかったはず。どうしてあんなに曲がっているのか。
そして、たった1つだけ背の高い病院が恐ろしい。
もういやだこんな世界は。
ひよりは1人四つん這いになった。でも次の瞬間顔をあげた。
ゴゴゴ・・・
さっきまで自分が居た病院までがしゃがしゃと崩れだした。
まずい。ここにいては危ないと誰も悟り、きっとみんな逃げ出してしまったんだ。
私、たった1人を置いて・・・。
すると、さっき崩れたばかりの病院はビデオを巻き戻したかのようにぐるぐると回りくねって元に戻った。
そんなバカな事が起こるはずもなく。きっと夢なんだ。あり得ない。
よく見れば、他のたてものも綺麗に元通りではありませんか。
その光景はカオスすぎて自分が何なのかよくわからないのです。
誰かが後ろ歩きで戻ってくるはず。
向うの道路がまっぷたつに割れる。
なんだかかなり自分が小さくなった気分。
回りの世界が大きい。歪んで見える。立っていられないくらい・・・よってしまったかもしれない。




