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  作者: 谷山沙羅
11/18

11話 「階段」

次の日、もっと熱が上がり、もう喋るのもしんどい。

偶にくるこういう風邪、誰もが経験したことあると思う。


「無理しなくていいですからね。」


今日も稚奈が様子をうかがってくれている。なんて心強いだろう・・・

自分が何もできないときに、少しでも気を使ってくれるというのはうれしい事である。でも、今日は昨日と少し様子は違った。


「頑張ってくださいね。」


そう言うと、すたすたと病室から出て行ってしまった。

ひよりには解っていた。前から悟っていた事だったけど、あの2人は自分のいないところで仲良くしている。

あの2人の中にははいっちゃいけないような気がしてならない。

この気持ち発熱によるだるさ、気持ち悪さを倍にする。


「どうしてだろう・・・どうして1人なんだろう。」


ひよりは無理やり体を起こした。

今日は雨だ。ちょうどいい。

車いすに乗り、廊下の端へ行った。

そして思いっきり勢いをつけて直行。とても気持ちがいい。

そうだ。ふとひよりは思いついた。

ここを勢いよく曲がればもっと楽しい事になる。

さて、それでは再び廊下の端から端へ・・・

ちょうど雨なので廊下も湿り、いつもより滑りやすくなっている。

誰もいないのを確認してから出発・・・

右手も左手も、痛くなるほど速く回した。

勢いよく曲がった。でも、その先は・・・


―――ガシャン!


その先は、階段だった。

階段をころころと転がり落ちた。

その後、なんだか急に眠たくなった。

まっくら・・・もう夜なのかもしれない。


「おやすみなさい・・・」



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