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エピローグ

「何やってるのレイ!死んじゃうよ!」


仄暗いダンジョンの中で、友人が僕たちの膝下くらいしかない魔物と戦っている。

魔物の名称は『コボルド』。

犬のような形態をもった魔物で、基本的にはダンジョン低層階の弱い魔物とされている。

探索者なら誰しもがコイツ程度倒せなければ始まらないような、そんな魔物相手に。


ビビり過ぎてギャン泣きしてる男がいる。何を隠そう僕だ。


「る、ルイス!助けて、うわっ、こっち来んな!」


腰に刺してあった短剣は一応抜いた記憶はあるのだが、てんぱり過ぎていつの間にか落としていたらしく、見当たらない。我ながらとても情けない姿だ。


そんな状態でも走り回りながら逃げる事は出来るので、運動場ほどあるこの薄暗くてだだっ広い空間を2、3体のコボルドを引き連れ全力疾走で絶賛お散歩中だ。


「レイ、こっちに来て、私が残りも倒すから!!」


どうやらルイスの方に行ってた2体のコボルドはもう倒し終わったようだ。エンカウントから戦闘(僕に限り逃走)が始まってまだ一分と経過していないだろうに、流石ウチのクラス随一の実力者だ、頼りになるね。


「ありがとうルイス、ごめんだけど後は任せた!」


逃げる方向を彼女の方に向け、魔物を擦り付ける形でルイスの後ろに回り込み、振り返る。

簡単な支援魔法で援護を、と思って掌に起動させた魔法陣は、あっという間に終わりかけている戦闘を前に、ヴヴッ。という力ない音と共に効力を発動させる前に光の粒となって消えていった。


振り返るまでに時間なんてかかっていないはずなのに、なぜか既に1体のコボルドの首が胴体と泣き別れになっている。

そのままルイスは振り上げていた剣を、突進してくるコボルドを半円状に体を反らして回避しつつ、すれ違いざまに首目掛けて振り下ろし、一刀で両断する。


慣性に倣って勢いよく飛んでくる胴体を避ける僕。

それを見ていた最後のコボルドは、疾走の方向を転換し、ルイス(と僕)から距離を取る。

すると、徐にルイスは右手を上げて、掌に起動した赤色の魔法陣から、火球を編み出し、コボルドに向けて解き放つ。

射出された火球はコボルドの眼前で爆裂し、広範囲に広がった焔がその体を焼き尽くし、

戦闘終了。


「レイ、大丈夫だった?怪我とかしてない?」


剣を収めながら振り向き、こちらの心配までしてくれる友人になんだかとても申し訳ない気持ちになりながら、マジックポーションを差し出して笑いかける。


「いつもごめん、全然無事」


「もう毎度の事なんだから、気にしないでよ」


マジックポーションを一息で飲み干したルイスと視線の先が被る。そこには、少しずつ肉体が崩れていくコボルド達があった。

先程の戦闘で火球を喰らったコボルドの方もどうやら事切れたようで、火は鎮火しており、

体の崩壊が始まっていた。


崩れ切った土だか灰だか良くわからない残滓の中を二人で分担してかき分けると、黒い牙が一本出てきた。それを五体分探して、全部で3本。目標達成だ。


「やったねレイ、一回の戦闘で課題の素材揃ったよ!」


「ありがたい、帰れる、本当にありがたい…」


麻袋に人差し指ほどの牙を放り込み、意気揚々とダンジョンの出口に向かう彼女の背中を追う。今週はもう来なくていいことにホッとしながら、いつものように明日からの座学について二人で愚痴りあいながら、僕たちは帰ってゆく。愛すべきわれらが学園へと。


ワタアメです!無計画に始まりました第0話!

ゆっくり書いていくので、興味が出た方、ふと目に留まった方、そうかこの駄文にお付き合いください!

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