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5.1
緊急事態につき、日録帳簿に報告と指示を残す。
現在、恐らくだが領主の息子であるランベルトが俺を捕縛しようと私兵を率いてきている。私兵からは魔法の気配がするので、何らかの魔法で操られている可能性がある。魔法の気配がしない者からは恐怖心を感じる。どちらにしろ、逆らうことは出来ない状況なのだろう。
警備隊の安全、領主家の私兵の安全を考慮し、俺はこれから抵抗せずに拘束されることにした。
よって、今後の指示をここに書き記す。
まず、何よりも衝動的に動かないように。自らの安全、家族の安全を確保するために、感情的に行動するのはやめなさい。
そして、無理に俺を助けたりしようと思わないように。街と、自分の安全を優先しなさい。警備隊として、守るべきものをしっかりと考えろ。
サディアス・オーデン