第二話
「その決闘は、互いの国の、運命を決めるものでした。簡単に言えば、小さな戦争です。勝った方が相手を支配する。」
驚いた。まさか、そこまで大きな戦いだとは思わなかった。
目を背けていた決闘の情報を思い返す。
確かに、非常に長くいつもより言葉が激しかった。
戦いだって、醜いほど限界だった。
おかしい、私の呪いでは、今目の前にいる人が勝ちを収めている。
「私は、戦いには勝ちましたが、勝負には負けたのです。敵国は、審判を買収していました。」
「う、嘘……」
こんなこと、民衆が許すわけがない。
「私が決闘で相手に膝をつかせた後、周りからたくさんの人が出てきて私を攻撃しました。」
最初から、仕組まれていたなんて…
「その後に闘技場から出ると、私の負けということになっていました。私が、ボロボロにされ、敵の兵士が剣を持ち上げているのです。それで、民衆は敵国が勝ったと勘違いしました。」
「今頃、国民はどうしているでしょうか。奴隷にでもされてしまったのでしょうか。」
彼は、俯きながらそういった。
「だから、私は、あなたに頼みたいのです。この国の最後を、見届けてください。」
まさか、そんなことがあったなんて。
「わかりました。私が、あなた達のことは、見届けます。」
そういうと、彼は笑って、
「ありがとうございます。」
と、言った。
次の日、彼は私の家にはいなかった。
ー完ー
最後まで、読んでくださりありがとうございます。
とても、重い題材でしたが、なんとか、描き切ることができました。
あまり、うまく拾いきれなかったので、もしかしたら続きを出すかもしれません。
それでは、またの出会いに期待して、
Good luck!