第一話
あぁ、頭が痛い。
私は、争いの未来と両者の力を知ることができるという、呪いを持っている。
これが、能力ならよかったが、呪いだ。
もちろん、代償がある。そして、何よりも面倒なのは制御が不能であるということだ。
また、どこかでなにか戦争でもあるのだろうか。
いやだなぁ。もう、嫌だ。
はぁ、だめだ。
もう、寝よう。
×+×+×+×+×
ドンドンドン
戸を叩く音がする。
うるさいので、仕方なく開けてやることにする。
あ、この人私の頭痛の原因の人だ。
「すみません、この辺りを旅してまして、迷ってしまいました。しばらく、泊めていただけませんか。」
まぁ、大体、戦いに負けて彷徨っていたってところだろう。
本当に、ご愁傷様だ。
少しくらい泊めてやってもいいだろう。
×+×+×+×+×
「何か、ありましたか?」
「ははは、恥ずかしながら。」
彼は、小さく頷いた。そして、その後俯きながら答えた。
「まあ、聞かないでおきます。」
やっぱり、なかったことにした。
「いえ、やはり話します。」
彼の方から、言ってきた。それは、彼の負担ではないだろうか。
「実は、僕は決闘をして負けたんです。それで、ああやって彷徨っていたんです。」
彼は、その言葉をゆっくりと紡いでいった。