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ほとんどのクリエイターは、夢を叶えることができない。夢を追い続けることができない。その理由は、人それぞれだけど、大抵は現実的な問題か挫折が原因だ。いや、現実的な問題を克服してはじめて、クリエイターを名乗ることができるのかもしれない。現実をうまく生きることをできる人だけが、夢を見れるのかもしれない。こう考えると、最も厄介なのはどうやって挫折を乗り越えるかだ。
挫折と一言で言っても、折れ方は人それぞれだ。自分より上手い人がいる。その人より上手くなれる気がしない。人気が出ない。昔のようにできない。自分の好きなものをつくれない。やりがいをもてない。モチベーションがない。病気になってしまった。賞賛の声より批判の声の方が大きい。データが失われてしまった。知られたくない人に、仕事が知られてしまった。後から自分の作品を見返したらクソだった。何十年続けても、まるで成長しなかった。自分の才能の無さに絶望した。などなど、言い始めたらキリがない。
なんであれ、どんなことがあっても最後まで歩き続けなければいけない。絶頂のまま死ぬことはできなくても、それを忘れさせないような輝きを放ち続けなければいけない。後世の人々から評価されても、意味がない。大切なのは、過去でも未来でもなく、現在だけだ。過去がどんなに恥ずかしくても、未来がどんなに暗く思えても、現在を愚直に生きるしかない。そう、自分に言いきかせなければ、何もうまれない。
だから僕は、誰よりも、うまく書く、ことを続けなければいけない。