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本を読む奴には好感をもてる。僕はかなりの乱読家だ。科学の専門書から、歴史に影響を与えた奇書まで、あらゆる本を読む。本は様々なものを与えてくれる。知恵に、感動に、本当に今のわからない怪文まで、あらゆるものを与えてくれる最高のコンテンツだ。
本の悪いところがあるとすれば、場所をとることだ。捨てたり、売ろうとすると、いつも心に訴えかけてくる。僕はまだ、君の役に立てるよ。実際に役立つから家から減らない。そなため、僕の家は本棚になっている。水回りを除けば、本がないところなどない。廊下にも、食器棚に、調味料の隣にも、ありとあらゆるところにある。邪魔くさくてしかたがない。
僕は赤い付箋と無地のノートを五冊買い、それを少女に渡した。
「この家にある本は自由によんでくれ。付箋も自由につけてくれて構わない。何かメモしたいことがあぅたらこれを使ってくれ。ペンはそこらへんにあるものを使って。あと、何か欲しいものがあったら言ってくれ。」
「ありがとうございます」と少女は言った。
僕は机に座り仕事を始めた。