エピローグ(リーポウ)
俺は、さっぱり意味が分かっていない部分もあるので、単にナディアの従順な伝書鳩だと思ってくれて構わない。が、状況は次の通りだそうだ。
颯介と田中嬢は、恋人になって結婚するのはまた別の話になる。希望的観測がだいぶ入っているそうだが。
ダッカー王子とジョージアが結婚してジョージアが王妃になるのもまた別の話になる。
若き伯爵がダッカー王子の良き相談役として、国の大臣になるのもまた別の話になる。
風の噂だが、カルロスは心を入れ替えたらしく、クフという変な名前の奴に元気に仕えているらしい。
ヴィオラもその母親も元気だそうだ。
ナディアは元の生活に戻り、相変わらず世界を股にかけたスパイ活動をしながら、表向きはベストセラー作家然として過ごしている。
アッバス王子は、ナディアと協力して、世界平和に貢献している模様だ。
俺は、相変わらずだ。ナディアの指示のもと、世界平和のためにナディアのスパイ活動を支えている。
戦闘機を飛ばしたのはあれから一度あった。戦下を飛んだ。詳しくは言えない。俺だって、秘密にすべきことはわきまえている。
次、俺を主役にした話を書いたら面白いのではないかとナディアに言ったら、ナディアに無視された。
プライベートジェット機の中で、冷えたスパークリングワインに気を良くして「そっちの方が面白いんじゃないか」と口走ってしまった。すると、ウィスキーグラスを持ったナディアに軽く睨まれた。
そうだな・・・俺は永遠に影で良いな。
「私の戦いは続くわ。これで終わりなんてことはない。」ナディアは常にそう言っている。
そうだろう。とんでもない異能を身につけたナディアは、これまでになく最強だ。それは俺も認める。
<完>
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