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63. パリで張ったわな(ナディア)

私は今、ニーハイブーツを履いてパリの街を闊歩している。

ついに、五番目の扉が、私を的確な場所と時刻にワープさせることに成功した。

 

それは、簡単だった。なぜなら21世紀の時代に、ミサイル発射の的として常時信号をキャッチできているチップがあるのだから。そのチップの緯度経度、日時を私は正確に五番目の扉に認識させることができた。やっとあのチップが役に立ったわ・・・


私は、パリのアジトでおしゃれなパリジェンヌの服装に変え、武装し、しかし見た目はナディア・ストーン感丸出しでパリの街を歩いた。


あちこちで気づかれたファンにサインを求められた。


「ナディア!ボンジュール!」あちこちで私は声をかけられ、最近、最後に私がボンジュールを言ったのは、アンリ2世だったかしら?と頭をよぎったが、私はにこやかにパリのファンに手をあげて気軽に挨拶した。


あいつらの耳に、ナディアのパリ入りが入ればしめたもの。


今宵は決戦だ。

クフ王が中世ヨーローパの伯爵家で待っている。私はついに敵を始末する方法を決めた。リーポウには敵に張り付いてと伝えてあったので、とっくにパリ入りしていた。アッバスは王子の顔で、パリの社交会に一夜限りの復活を遂げるのだ。一緒に五番目の扉を使ってパリ入りして、私のアジトで着替えてもらった。


敵の趣味はオペラだ。

既に、プライベートジェット機はスタンバイ中だ。

やり方は乱暴で実に原始的だ。007が見たらお叱りを受けるだろう。オペラ座にやってきた連中を、縛り付け、車に放り込み、プライベートジェット機でニューヨークに運び、例のポイントから中世ヨーロッパにダイブするプランだ。


スピードと大胆さがモノを言うプランだわ。しかし、これほど爽快な気分に私をしてくれるプランもあるまい。


中世ヨーロッパの伯爵家で待つクフ王と共にゲームに参加してもらい、クフ王と共に、古代エジプトにワープしてもらう。

王には、謝礼として龍者の実を1袋と松明草をあげることで、交渉の話はついた。奴らをピラミッド建設にこき使ってもらおう。クフ王のギザのピラミッドは異能を身につけた王によって、より巨大で美しく出来上がるであろう。


私はご機嫌でオペラ座の階段を登った。

奴らのボックス席に忍び込むのだ。アッバス王子は既に、奴らと同じボックス席におさまっている。奴らにささやいたはずだ。「ナディア・ストーンのアジトを見つけた」と。


私は、そこに登場して、アッバス王子とにこやかに挨拶して、「アラビアのアッバス王子」の話の信憑性を高める。まずは、奴らに自ら罠に飛び込んでもらわないと、ね・・・


奴らは予想もしなかった獲物に舞い上がり、リーポウが待ち構える車にアッバスと乗り込むはずだ。


最高だ。あいつらは絶対に私の手では殺さない。永遠に寿命が尽きるまで、古代エジプトで後悔に苛まされながら、生きるが良い。

勤勉に働けば、それなりに楽しいこともあるはずだ。


クフ王が誤って中世ヨーロッパにワープしたこの状況を、存分に利用させてもらうわ・・・



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