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58. 決戦は明日(リーポウ)

静かな空調の音が微かにする中で、俺は窓の外を見ていた。 

プライベートジェット機の中は、相変わらず最高に居心地良かった。俺たちはゆっくりくつろいで、俺はスパーリングワイン、ナディアはウィスキーのロックを飲んでいた。


すっかりくつろいでナッツをずっと食っているナディアに、俺は言った。


「で?」


「は?何が?」ナディアがナッツを上品に口に運びながら、俺に言った。


「で?」俺はスパークリングワインのグラスに上品に口をつけながら、もう一度ナディアに言った。


「だから、何が?」ナディアはウィスキーのロックを飲みながら、またナッツを上品に食っている。


「すっとぼけないで。いつからだよ?」俺はよく冷えたスパークリングワインに満足しながらナディアの方を見た。


「あんな力、どうやって身につけた?」俺はナディアの顔をじっくり見た。


「ふふ。話せば長いのよ。」ナディアはそう言って、またナッツを無造作に、しかし非常に上品な仕草で食った。


「すごい力だな。」俺はスパークリングワインのグラスを見つめながら、ボソッと言った。


「秘密よ。すごいでしょ?」ナディアはようやくにっこり笑って、俺を見た。


らちあかねー。


ナディアは本当に何も喋らなかった。


俺たちはS国をミサイル攻撃から密かに守り、プライベートジェット機で無事にニューヨークに着いた。

ナディアのホテルに俺も一応ついて行った。いくらなんでも、敵に狙われているナディアを、敵の妨害工作をしたばかりのナディアを一人にはしていけなかったからだ。


ホテルの部屋の入り口に、俺の見たことのない奴らがいた。一人はナディアの旦那の例のカウボーイだ。


ナディアは、さっと緊張した顔で奴らに駆け寄って言った。


「どうしたの?」


変な日本人の若者がナディアに言った。こいつは、確かスタバで、俺にすごいスピードで攻撃してきたやつだ。人間技には思えないスピードで動くやつだったな・・・


「ナディア姉さん、行くんでしょ。俺も一緒に行くよ。」


「ダメよ。危ないから私一人で行くわ。」ナディアはキッパリそういった。

「だめだ。俺も行く。」ナディアの旦那のジャックが言った。

「僕も行くよ。僕の友達だし。君一人で行かせられないよ。僕も一緒に行く。」アラビアン風の上品な男性がそう言った。


「みんな・・」ナディアが一瞬言葉に詰まった。


「俺たち、チームナディアだから。」変な日本人の若者がそう言った。


「チームナディアって・・・みんな」ナディアがらしくもなく声を震わせた。肩も震えている。


あ?感動しているのか?



くっさ・・・



あ、俺の心の声が漏れたかも?


ナディアに涙の溜まった目で睨まれた。


「指揮官ナディア、いつ行く?」ナディアの旦那が聞いた。


「明日よ。」ナディアが答えた。


どうやら、決戦は明日のようだ・・・



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