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57. スーパーウーマン(ナディア)

手首につけたApple Watchにメッセージが表示された。


「攻撃の暗号情報を傍受。R、K、SのうちのいずれかにM攻撃。」


私に二度も逃げろと危機を知らせてくれた例の戦闘機パイロットからの緊急メッセージだった。

彼の名前はリーポウだ。


私はコーヒーカップをテーブルに置き、席を立ちながら、新聞を読み続けているジャックに言った。


「ジャック、今晩は遅くなるわ。」


ジャックは、新聞に夢中の様子で、「はーい、いってらっしゃい。」とだけ言って送り出してくれた。


私はホテルを何気ない様子で出て、途中で変装してアジトに向かった。アジトには、先日ドバイの高層ビルから持ち帰った例の新聞とメガネが置いてある。私の記憶では、そこに、ある国の名前が不自然に浮かび上がっていた。

念のために確かめたい。攻撃対象はSのはずだ。


アジトのソファに身をしずめ、例の新聞をもう一度読んだ。


間違いないわ・・・Sで間違いない。


「気づかれないように、待ち合わせJで。」私はリーポウに暗号メッセージを送った。


リーポウと一緒にプライベートジェット機で密かにS国の隣のKに入国した。


そして、月が上り始める頃、KとS国の国境にある山の頂に、私とリーポウは陣取った。高性能望遠鏡で、暗闇から二人でS国を見張り続けた。辺りはすっかり暗くなり、待っている間にカバンから龍者の実を出して私は1個丸ごと食べた。松明草も1本丸ごと全て食べた。


さーて、準備は万端だ。


リーポウの特殊双眼鏡がミサイル発射を検知した。私は、両手のひらを広げ、S国上空に素早く炎のバリアを張った。すごい光線だ。飛んできたミサイルは、私が張ったバリアの上でバウンドした。そして、はずみでミサイル攻撃を仕掛けてきたX国にリターンしようとした。


おっとっと・・・・


私は罪のない民間人が悪の頭領のおかげで、甚大な被害に遭うのを良しとしない。

そこで、素早く今度はX国上空にも炎のバリアを張った。


今度は、X国上空でミサイルはバウンドした。


「おい、スッゲーな!!!!!!!!」リーポウは、私のいきなりの異能発揮に大興奮だった。


「なんだ?そのすごい力は!」私の横でリーポウは叫びまくっていた。


私は初めてのことでどうしたら良いか若干分からず、S国上空でミサイルバウンドさせ、X国上空でミサイルバウンドさせるのを繰り返し続けた。そして、思い切って左手の光線だけで素早くミサイルを氷で固め、斜めに左腕を振り下ろし、遠くに見えている海に凍らせたミサイルを素早く沈めた。


永遠に、海の底で凍ってなさい・・・


私はほっと息をついた。


自分の力に大満足だ。


ミサイル攻撃を企んだ悪の頭領たちは、今頃大騒ぎに違いない。


「帰るわよ、リーポウ。」私はリーポウにそういうと、ジャックの待つホテルに向かって帰路についた。


地球の平和を守るのはスパイの使命だわ、このくらい当然よ・・・






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