54. 任務終了(ナディア)
こんなところで、負ける訳にはいかない。誰も死なせる訳には行かない。私の両手の銃はピタリと一ミリの狂いもなく狙いを定めていた。
私は、全員を無事に過去の地球に帰還させるのだ。危機に遭遇して、全てがスローモーションに見えた。
颯介が松明草を素早く食べるのを私は目の端でみた。銃を撃つが、手裏剣が針の山のような蜜状態で飛んでくる。颯介がバリアをはるのを私は見た。しかし、手裏剣がバリアを通過してきた。
私たちは素早く後ろに飛びすさった。だめだ。松明草のバリアが効かない。
「シュワッチ!」
颯介がウルトラマンのシュワッチのポーズで、四方に素早くレーダー光線のように光の光線を放った。
すると、少しは手裏剣の波が怯むように止んだ。アッバスも、ジャックも、ピーターもジョージアも、レオもサファイアも、ダッカー王子ですら、年老いた占い師ですら、ウルトラマンポーズでシュワッチを繰り返した。
「みんな集まって!」
全員が真ん中に集まり、背中を寄せ合い、日の光線の波状攻撃を仕掛けた。私も銃撃を繰り返した。
私たちは、手裏剣をかわし、ジリジリと森の奥にそのまま後退した。
このまま後退するのだ。
そして・・・
真っ逆さかさまに落ちた。
後退した先が崖になっていて、その下は真っ暗な湖だった。
暗い湖に真っ逆さまに全員で落ちてしまった。高いところから落下した衝撃で水面に深く沈み、見上げると、針のような手裏剣が山と打ち込まれたのが分かった。
「ナイス!」
「は?」
颯介が親指をたてて、ナイス!と言った表情で水中で笑った。私たちは頭がおかしくなったかと思い、颯介の顔を穴が開くほど見つめた。
いや、颯介は正しかった。
私たちは、エラ呼吸をしていた。トラビコンの魚の効果だ。
「イエーイ!」颯介が叫んだ言葉まで、水中で伝わった。
水中深くで、私たちはタッチしあって、喜びあった。ダッカー王子とジョージアは抱き合って喜んでいた。
私たちは、今度は救われた。そのままワニが襲ってきたが、水中での龍者の実効果は絶大だった。ワニにキックすると、あっけなくワニは気絶した。
エラ呼吸のできる水中忍者の私たちは、そのまま静かに、水中深く潜り、湖の反対側の端まで泳いで進んだ。
慎重に湖から上がると、そこには手付かずの龍者の実の木があった。大量の収穫だった。
「龍者の実を認識しました。」カメラアプリで龍者の実を認識させて、全員がミッションを達成した。
「やったわ。」小さな声で皆で喜び合った。
私たちはそれぞれ持ってきたカバンに龍者の実を入るだけ入れて、持った。
「もう探す必要はないから、翼竜に乗ってUFOまで一直線に逃げ帰ろう。」ジャックがそう言い、全員が賛成した。
「飛べるんかーい!」なぜか颯介が小声でそう言い、ピーター、ジョージア、レオが思い出したように笑った。
前回、この星に来た際のことを思い出したようだ。
とにかく、無事にシュワッチ小隊はUFOに逃げ帰り、大気圏を突破して、21世紀の地球に帰還した。
ヴィオラ、もうすぐあなたを救いに行けるわ・・・
お読みいただきまして、ありがとうございました!
もし、少しでも面白いと思っていただけましたら、ブックマーク、もしくは「いいね」を押して頂けると大変ありがたいです。
今後の励みになります。
最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました!




