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53. ピーンチ(颯介)

 息を整える。

 ナディア姉さんがまるでスパイのように、身のこなし軽やかに、木々の間を駆け抜けてはピタッと木の影に見事に隠れて進むのを俺たちは見つめていた。


 ナディア姉さんが振り向いて、俺たちに、来るように手で静かに合図をした。まるで特殊部隊のように。実に様になっていてスパイっぽい仕草だ。ナディア姉さんの手には高性能銃が握られている。


 俺たちは、へっぴり腰で尻を突き出し、皆、頭を下げて、そろそろと進んだ。真似しているつもりが、まるで真似になっていない。アッバス王子だけ、さすが王子なだけあって、いくらか優雅な身のこなしだ。


 俺たちは、今、数億年先の地球、いや、もとい、数億年後の未来の地球にいた。そこは数億年前と同じく恐竜に支配されていた。恐竜だけではなく、忍者にも支配されていたが。


 経緯はこうだ。


 ナディア姉さんが傷を負い、死んだように伯爵家の客間のベッドで寝ている間、俺は、噛み砕いた龍者の実の種を綺麗に洗い、乾燥させ、細かく砕いて粉にした。


 その間、ジョージアは、王都のダッカー王子に手紙を出した。王都のダッカー王子からは驚異的なスピードで返事がきた。2日後、昼夜、駿馬を飛ばして、ダッカー王子自身が馳せ参じたのだ。そして、遅れて占い師を載せた馬車も、伯爵家に到着した。


 ダッカー王子とジョージアは、どう見てもラブラブだ。本人たちは、全く自覚していないようだが、実に微笑ましかった。


 ジョージアが「王子」と呼ぶと、アッバス王子が振り返ったりするので、俺たちはふざけて何度も「王子」と呼んで、「そっちじゃない王子」などと言って皆でふざけあった。


 ナディア姉さんが目を覚ました時、全ての準備は整っていた。ミランは、ナディア姉さんが目を覚ましたタイミングで、役目を果たしたと元の時代に戻った。


 そして、戦いの前の儀式を行った。

 俺たちは、すり潰して粉にした龍者の実の種をひとつまみずつ舐めた。本当に、何かの儀式のような光景だった。


 それぞれが、仁王立ちし、龍者の実の種を舐め、松明草の葉っぱを3枚ずつ持った。そして、干物にしたトラビコンの魚をそれぞれ2口ずつ食べた。


 この臭い干物に一体何の効果があるのかは、いまだに不明だが、何かの効力があった場合に、きっと俺たちの危機を救ってくれるだろう。


 きっとね・・・


 干物の余りは、俺のカバンにしまわれた。俺は臭かろうと、トラビコンの魚を捕獲して帰還するために、命を危険にさらしたわけなので、臭いなんてもはや全く気にならなかった。


 そして、全員で三番目の扉の向こうに飛び込み、バッファローの群れを龍者の実の効果で交わし、無事に全員でプテラノドンに乗り、ニューヨークステージに進んだ。


 ヨボヨボの占い師の婆さんが忍者のように回転してバッファローの大群との激突をかわし、プテラノドンで激走する光景は、実に爽快だった。



「ヒヤッほーい!」プテラノドンでの飛行初体験に占い師はご機嫌で叫んでいた。


 ニューヨークステージで、ナディアは、やはりスタバにいる母親と再開した(ミランと最初に再開した時と同じ時刻だったので、母親としては、ナディアと離れていた感覚は全くなさそうだった)


 そして、ダッカー王子と一緒にエメラルの運転するUFOに乗り(このヘンテコロボットがやたら懐かしかったー)、飛車のボタンで宇宙戦争を選び、全力で宇宙戦争を勝ち上がった。


 その後、予定通りにブラックホールに突入して、大気圏に突入して、未来の宇宙とやらに帰還した。


 ここまでが経緯だ。


 もちろん、俺たち全員の頭には、お馴染みの高性能カメラがついたバングルがはめられていて、「カメラアプリで龍者の実を認識させよ」のミッションが言い渡されていた。


 俺たちは忍者に見つからないように、進んだ。前回と違って、今回は、龍者の実を大量ゲットすることが目的なので、慎重に、龍者の実が一度に大量に採集できる場所を探した。



「シーっ!」ナディア姉さんが、合図をした。


 そして、ある方向に銃を向けた。途端に手裏剣がすっ飛んできた。

 

 とっさに松明草を俺は食って、バリアをはろうとした。


 が、だ。




お読みいただきまして、ありがとうございました!

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最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました!

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