47. 一番目の扉(颯介)
朝からどんよりした雲が立ち込め、中世ヨーロッパの貧しい村は、うつうつとした空気が立ち込めていた。
しかし、広い伯爵家は朝からてんてこまいだった。
まず、食料。パンと肉、ゆで卵等で作ったサンドイッチを、みんなで張り切って大量に準備した。レオとジョージアが井戸から水をくんできて、水も準備した。例のごとく、ダッカー王子からもらったスタバのステンレスボトルにコーヒーをたっぷり若き伯爵は抜かりなく準備した。
卵は、伯爵家の鶏たちが産んだのを、俺が集めてきた。
中庭にあったトマトや野菜類もピーターが収穫してきた。
そして、スマホのバッテリー充電(何があるか分からないからね)。また、ナディア姉さんの緊急時バッテリーを使った。競馬場前のスーパーで、ジャックもバッテリーを仕込んできていたので、それも少し使った。
それから武器。弓矢、銃、金の延棒、バッテリー、松明草の束、ナディア姉さんはもう、隠すことなく俺たちに見せてくれていた。
俺のテンションもかなり上がっていた。
なんてたって、新たな冒険だ!
そりゃあ、死ぬかもしれないリスクはあるけどね・・・
龍者の実は、ほんの一欠片になってしまったが、チョコパンの包みにいまだに入れて、大切に俺のリュックに入っていた。松明草の残りも俺は持っていた。
朝ごはんを食べ終わると、いよいよ、バッカス王子以外の全員が、1枚目の扉の前にたった。
まじかー。また行くのか・・・
怖いは怖いけど、やっぱり俺はワクワクしていた。
「行くわよ!」ナディア姉さんとジャックが手を取り合って、飛び込んだ。
次に、若き伯爵、レオ、ジョージア、サファイア、ピーター、そして俺の順番で飛び込んだ。
そこは、浜辺だった。何にも見当たらない。海と砂浜と、森しか見当たらなかった。
「ゲーム スタート。」早くも、頭の上に巨大な文字が斜めに出現するのを見た。
「無人島で、トラビコンの魚をカメラアプリで認識せよ。キャンピングカー1台と馬1頭を与えます。」
見ると、砂浜に、高性能カメラが付いたバングルが人数分置いてあった。
無人島でサバイバルか・・・・?
突然、槍が飛んできて、俺の足元の砂浜に刺さった。
ヒョエー!!!!!!!
砂浜の向こうのやぶの中から、真っ黒に全員日焼けした、原始人みたいな格好した人たちが何十人も飛び出してきた。
人食い人種??
ナディア姉さんは弓矢を構えて、一気に数本射った。が、相手の数が半端ない数だった。
「逃げろ!ナディア、行くぞ!」ジャックが言い、原始人たちが飛び出した方向が右寄りだったので、浜辺を左手側に走り出した。
ナディア姉さんも含めて、全員で一気に走り出した。もちろん、ガストロノムスバックストッカー家の子供たちと、龍者の実効果がうっすらまだ残っている俺と、ジャックと、ナディアは俊足だった。問題は伯爵と、サファイアだ。
サファイアが捕まって、あっという間に連れて行かれてしまった。
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