45. ゲームチェンジ(ナディア)
私の心は張り裂けそうだった。私の両方の顔を知っている人は古い友人のヴィオラと、彼の母親と、幼い私に空手や柔道の手解きをした教授の3人だけだった。
レッドサタンの件で、私の危機を直前に二度も知らせてくれた戦闘機パイロットの彼も、今では私の両方の顔を知っているが、私が有名になる前から知っているのは、その3人だけだった。その中で私が何でも話せたのは、ヴィオラだけだった。
若き伯爵が私に暖かいコーヒーを持たせてくれた。
ジャックも心配そうに私を見守っていた。
コーヒーを一口飲む。目をつぶった。ヴィオラの笑顔が私の心の中で弾けて、私はやはり涙が溢れそうになった。
「みんなで、ナディア姉さんのその友達が亡くなる前に行って、助けだそうと決めたんだよ。」
颯介の思わぬ声が耳に飛び込んできて、私ははっと我に返った。
そうか・・・
その手があったか。
私はスパイ。世界最強のスパイだ。
さらに、金や戦闘機だけではなく、強烈な異能も手に入れた。
時間を遡ることができるらしいゲームの存在も知った。
ゲームを通じて、新たな仲間もできた。
私の本当の姿を知らなくても、命をかけた冒険を共にし、全力で協力してくれる仲間だ。
「占い師に会いに行こう。奴なら、何かヒントをくれるはずだ。」ジャックが静かに私に言った。
私は顔をあげた。そうだ。
あらゆる手を尽くして、ヴィオラが亡くなってしまう前に行き、彼を救い出してくるのだ。
私はそのためには何でもやると心に誓った。復讐の前に、やるべきことがある。
必ず、ヴィオラに訪れたはずの危機を回避してみせよう・・・
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