38. 怖いおしおき
「え?!ここはどこ?」
アッバス王子が仰天して叫ぶと、ナディア姉さんの弁護士がぺろっと顔をはぎ取った。
え??????
俺が絶叫しそうになった。弁護士の顔の下から現れたのは、ナディア姉さんだった。ニヤッと笑って、頭を振って余裕で髪を風になびかせた。
と、トムクルーズ的な?
変装というやつですか?姉さん・・・
もろ、ミッションインポッシブルなんだけれども!
俺も言葉を失ったが、ジャックも同じ顔をして青ざめて、驚愕した。
「な、ナディア?」
「うふ。そうよ、私よ。」ナディア姉さんは楽しそうに笑った。中世ヨーロッパの貧しい感じの村の大通りにいきなりワープした流れから、弁護士からナディア姉さんに早変わりするのを目撃したせいで、アッバス王子は完全に目が点になっていた。
「さあ、アッバス、私を狙った理由を白状しなさい。」
「白状しないと、あんたの髪の毛、燃えてなくなるわよ。」ナディア姉さんは指をバッカスの頭に向けた。
指から、炎、出てるんですけどー!
「ヒエ!」ちょっとおじさん入っているアッバス王子は声にならない声をあげた。
「シュー!」
髪の毛焦げてる!
アッバス王子の髪の毛が、ちょっと燃えた。
「ご、ごめんなさい!」アッバス王子は頭をパタパタ手で叩いて髪の毛の火を消して、足もバタバタさせている。
「ジャック、アッバスは私をスナイパーで狙ったのよ。私を亡き者にして、レッドサタンを手に入れる気だったのよ。」ナディア姉さんは涼しい顔をして、アッバス王子がバタつく横で、ジャックに言った。
「なんだって!」ジャックはすごい顔でアッバス王子を睨みつけた。
「たっぷり反省してもらわないと。」ナディア姉さんはそう言った。
そして、呆気にとられて立っている若き伯爵に言った。
「ちょっと、家、借りるわよ。バッファロー狩りに行くわ。」ナディア姉さんは言った。
「おお、おお。分かった。」若き伯爵は快諾した。
こうして、中世ヨーロッパの貧しい村の大通りで、伯爵と再会を果たした喜びも束の間、俺たちは伯爵家のキッチンに向かい、(アッバス王子はナディア姉さんとジャックに両側からガッチリ腕を掴まれ、引きずられるように連れて行かれた)、高笑いするナディア姉さんと一緒に三番目の扉に入って行った。
龍者の実を持っているのは、俺だけなので(かなり食べかけだけどー)、俺もすかさず後を追って飛び込んだ。
「伯爵、すぐ戻ってくるから!あとでね。」ナディア姉さんはそう言うと、サバンナにダイブした。俺も、同じセリフを伯爵に言った。すぐに戻ってくる!きっと!
「殺さずに、あいつに心底反省させる方法が、ここにあるわ。」ナディア姉さんがそうささやく声が俺には聞こえた。
怖さが過ぎます・・姉さん。
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