33. ナディアの力
私の全神経を集中させて、指の先に力を込めた。人差し指を唇に当て、「フッ」と軽く息を吹きかけた。
まるで、銃口の煙を吹き飛ばすかのように。
ものすごい光の弾丸が向かいのビルの銃を構えた男をノックアウトした。男は真後ろにひっくり返った。
私は、いつの間にか、狙われる存在になったのだろうか?
ゲームに参加して松明草を入手していなければ、おそらく私はここで死んでいたかもしれない。私は素早く周囲に目を配った。今は、敵はもういないようだ。
さっさとホテルに帰ろう。真相は、あの警官に連れて行かれた男から聞かなければ、分かるまい。私は群衆をかき分け、ジャックと颯介に合図をして、サファイアを店内にいる母親に引き渡した。
そして、その場を後にした。
このゲーム参加によって行った冒険は、私たち4人だけの秘密だ。話したところで、誰も信じやしないだろう。
私はいつか自伝に書くかもしれないが、それはまだ当分先のことだ。
今は、ゆっくりジャクジーに入り、この貴族の煌びやかなドレスではない、着なれたジャージに着替えて、ホテルのベッドでぐっすり眠りろう。松明草の残りの効能が消えるまでは、私は安全だろう。龍者の実の効果も少しはまだ残っているようだし、私はこの間に休息を取るべきだ。
この世の次の戦いに備えて。
スパイ業は、忙しいのだ。
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