33. ナディアの危機
私がスタバの中で後をついてこられ、結果的に颯介と一緒に気絶させた男が、警官に連れていかれる所だった。私は彼が口を動かして、私に向かってゆっくりとこう言うのを目撃した。
「逃・げ・ろ」
え?
彼は私の味方だったのか?
私はとんでもない間違いをしたのかもしれない。
私は素早く周辺を見渡した。向かいのビルの屋上に、銃を構えた男がいるのが見えた。
颯介に合図をしようとしたが、颯介は、メガネをかけた女の子にデレデレしていて、全くこちらの必死な合図に気づかない。
私はカバンから松明草を取り出して、葉っぱを一枚食べた。食べかけの龍者の実は、結局、ピーターから颯介の手に戻り、食べかけのチョコパンの袋に颯介がまだ入れて持っていた。あれが腐らないのかは、謎だ。
そもそも、私の龍者の実の効力はもう消えかかっているはずだ。この1枚の葉っぱで、何ができるのだろう?
テロを防げるのか?
私は葉っぱを素早く飲み込み、右手をあげ、向かいのビルの屋上の男に向かって指さした。
私の周りがスローモーションのように時間が止まって見えた。危機一髪の瞬間だからだ。私の脳がフル回転していた。
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