30. ダ・ヴィンチ
水差しを探しに、イケおじダ・ヴィンチの屋敷に上がり込んだジョージアとレオは、キッチンで料理人みたいなおばさんに捕まった。
何せ二人とも服がボッロボロなものだから。。。ただ、おじさんが倒れたという報告を受けて、そのおばさんは水差しを持ってすっ飛んで来てくれた。
俺は、目をつぶっているイケおじの鼻から息が出てきるのを一応確認して(生きてる、生きてる)、両方のほっぺたをペシペシ叩いた。早く目を覚ましてくれないと、ミッションもクリアできないからね。
イケおじがスッとまぶたを開けた瞬間に、水差しを口に近づけ、「飲んで。しっかりして。」と俺は優しく言った。
水を二口ほど飲んだイケおじダ・ヴィンチは、フッとため息をつき、ようやく人心地がついたようだった。俺は、念のためにプテラノドンに庭に隠れるように言って、料理人とダ・ヴィンチの視界に入らなようにしていた。
「気づきましたか?びっくりさせてごめんなさい。」
俺がイケおじダ・ヴィンチ話しかけると、目をパチクリさせたダ・ヴィンチは、俺の腕をつかんで、せがんだ。
「もう1回、さっきの不思議な板を見せてくれ!」
うーん、これで歴史が変わるとは思えんし、いいか。俺はそう思って、スマホをダ・ヴィンチに手渡した。いくらダ・ヴィンチが信じられないほどの天才だとはいえ、いきなりスティーブ・ジョブズまで一っ飛びに人類の進化を早押しできるような芸当は無理だからね。
スマホを見たダ・ヴィンチは大興奮で俺を質問詰めにした。
「ほうほう!これは何と言うものかね?」
「電話です。」
「電話?」
「未来人のテレパシー用の板です。この板を持っていたら、どんなに遠くにいる人ともすぐ近くにいるかのように話せるんですよ。」
「ほう!」
大興奮のイケおじダ・ヴィンチの質問が止まらないので、俺は一旦、質問をストップさせることにした。
「あのー、僕たちお腹空いているんです。」俺はダ・ヴィンチのマシンガントークを遮った。
「そうだ、そうだ。未来から来た客人に、何のもてなしもせず、大変失礼だった。申し訳ない。」
ダ・ヴィンチは立ち上がり、料理人のおばさんに言った。
「リーザ、彼らは私の大事な客人だ。今日は弟子みんなで夕食を食べるぞ。大事な客人に朝ご飯をあげて、体を拭く布を差し上げて、ドレスや服も差し上げなさい。身の回りの世話を頼む。」
リーザ?
えー、このおばさんじゃないよね、モナリザっって・・・
まさかね。
俺は、そう思ったし、絶対にありえんとは思った。ルーブル美術館に飾ってあるモナリザとは、似ても似つかない料理人のおばさんだ。でも、リザとかリーザとかいう名前はこの時代に多いのかもしれん。
一気に歓迎モードになり、俺と子供達は手厚くもてなされた。まず、朝ごはんを振る舞われた。ダ・ヴィンチは、菜食主義者だったけどね。朝ごはんを食べながら、飛行機からスマホから、何から何まで聞きたがった。頭につけているその黒い塊は何か?と聞かれた。これは、カメラだと言うと、カメラの説明をしばらくせがまれた・・・
とにかく、疲れたから休ませて欲しいと言い、結果的に、俺たちは大きな客室を3つあてがってもらった。
俺は、プテラノドンが庭の木陰で寝ているのを確認し、安心して、しばらくベッドで休むことにした。
子供たちは体をふくタオルをリーザにもらい、体を吹き、ピーター、ジョージア、レオにはそれぞれ素敵な貴族のようなドレスと服をもらった。みんな見違えるほど、素敵になった。ダッカー王子なんて、ジョージアのドレス姿に顔を真っ赤にしていた。俺とダッカー王子は、頑なに貴族服は辞退した。
俺が貴族服を着て、いきなりニューヨークに戻ったら、もうそれは仮装だ。万が一田中さんに会いでもしたら、俺の人生は終わったぐらいの恥だ。
ダッカー王子も、おしゃれなハイブランド的な現代的な服を着ていたので、貴族服を着るのは面倒臭いと言って、断っていた。
さーて、お昼も過ぎ、弟子たちが数人、ガヤガやとダ・ヴィンチの屋敷に集まってきた。
ワインで酔っ払った隙に、アトリエを探索して、カメラアプリでモナリザをパシャリと認識させて、早く退散しようと俺たちは計画した。
イケおじダ・ヴィンチが酔っ払ったら決行だ。酒を飲まない、もしくは酒に強かったら、計画は変えなければならなかったけどね。
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