また、話したくて。~上~
[上]ですね。
これは、一年前の話。
僕が、17歳の時の話だ。
当時の僕は、友達が少なく、3人ほどの友達しかいなかった。
そして、友達には好意を抱いていた。
≪水島 かなえ≫僕の好きな人だ。
可愛くて、綺麗で、そして優しい人だった。
僕の人生をガラッと変えて、新しい世界へ引っ張り出してくれた。
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ある日のこと。
僕の友達≪縦島 港≫と、『かなえには絶対に言うな』と言われたことを、口を滑らして話してしまった。
人生最大の過ち、いわゆる後悔だ。
『あぁ…ミスったな』なんて、言葉では表せないほどの後悔だった。
そして、3人の関係には、深い深い溝が出来た。
誰も埋めることが出来ないほどの物だった。
「また、振り出しに戻るのか」
僕は、部屋で1人、ポツリと呟いた。
かすかに残る、冬の寒さを感じ、重ね着をした。
何枚重ね着をしても、寒かった。何枚も…何枚も…。
そして、5枚目に達した時にようやく気がついた。
《外気の寒さではない》
そう、いやな予感とやらを肌で感じたのだった。
肺は凍りそうなぐらい、痛かった。
《失恋》
と言う言葉が、頭に浮かんだが、それとは別な感じがした。
そして、その日は寒い夜を過ごした。
止まらない胸の痛みと、凍えるほど寒い風が僕を襲った。
~次の日~
親友の港も、僕に話してくれなくなった。
当然なことだろう、そう思うしかなかった。
僕は、1つの失敗で2人の友人を失った。
それと同時に、恋心も失った。
「あっ」
連絡ツールも、全てブロックされていた。
だが、僕はブロックを仕返さなかった。
《いつか、友達に戻れるだろう》
そう、願っていた。願うしかなかった。
学校の机で伏せながら、そんなことばかり考えていた。
「おい、お前。大丈夫か?」
「うん」
突然、僕に話しかけてきたのは、三人目の友達の《神坂 紫苑》だった。
小学校からの付き合いで、めちゃくちゃ優しい。
「まぁ、元気出せって。そう、くよくよすんな」
紫苑はそういって、僕の背中を軽く叩く。
そして、僕の背中をさすってくれた。
紫苑は優しい目をしていた。
「無理すんなよ。お前いつも無理して、おかしくなるからな」
「分かった」
そう言って、紫苑はどこかに行ってしまった。
その後、何事もなく、その日を終えた。
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あれから、半年の月日が流れた。
進展は無し。時間薬ではどうにもならなかった。
半年の間に、僕の体調は崩れていき、メンタルもボロボロになっていた。
『期待なんて、しなければ良かった』
そんなことばかり考えてしまう自分がいた。
「はぁ……」
大きな溜め息をついた。
本当にこのままでいいのだろうか…。
僕は自室のベッドに、倒れこんでいた。
そして、スマホを開き、インターネットサーフィンをする。
スマホをスクロールしていくと、色々な人の記事が流れてくる。
《最近すごく運がいい!》
《後、一ヶ月で卒業か。楽しかった!》
《来週、友達と卒業旅行に行く!楽しみ!》
絶望だった。
言葉が出なかった。自分だけ〔思い出〕とやらを、作れて無い気がした。
そして、さらにスクロールをしていく。
スクロールをしている時に、一つ引っかかる記事を見つけた。
《チャンスは勝手に来るものではない、掴みに行くものだ》
心にいくつもの矢が刺さった。
半年の間、チャンスを待ち続けた自分を、全て否定されるような一文だった。
だが、今は違った。全てプラスに考えた。
『これは、今の自分にとっての助言だ。』
そう、思うことにする。
この出来事に、終止符を打ちに行く。
そう、決意したのだった。
~続く~
久しぶりの投稿にドキドキしてる。どうも、かなえです。
[下]の投稿は、後日します。評価ポイントください。泣いて喜びます〜w
では。