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第4章 三大陸対抗武闘競技会 4-11. 続・予選トーナメント最終戦



*** ヒルデガルドの視線 ***


予想通りの展開になった。

うちの前衛と戦っているのは、メリッサ、ミーナ、それに、彼奴はシェリー・ウォンか?

槍相手に棍で戦うのは決定打に欠けるが、相手を釘付けにしておくことはできる。

それだけ、試合がコントロールし易くなるってもんだ!


おっと!前衛の混戦をすり抜けて此方に向かってくるのは、カイヤとレイナの奴か!?

此方が長柄の得物を持ち出してくると予想して段ビラの二刀流にしたのだろうが、何時もの短い両手剣にしておくべきだったな。

段ビラに変えたところで、棍より短いものは短いんだ!それは、スペードを殺してしまう愚策だよ!?


向かって来る2人の胴目がけて棍をぶん回し、連続技で足を狙って地面を叩く。

そう簡単には近づけさせやしない。

怯んだカイヤに刺突、避ける彼女は追わず、振りまきざまにレイナに向かって棍をぶん回す。

間合いを詰めようとしたいたレイナが反応する。


「 ジャンヌっ! 」


私の合図でジャンヌが動いた。

横殴りの棍を避けようとするレイナ目がけてジャンヌが段ビラで胴を薙ぎ払う。


だが、レイナは良く見ている。

左手に持つ長剣でジャンヌの段ビラを受け止めると、すかさず右手に握った方で彼女の魔石を狙って剣を振り下ろした。

上体を捻って長剣を紙一重で避けたジャンヌ目がけ、レイナが追撃をかけようとする。


だが、そこっ!!

ハッと気づきいたレイナの顔が、驚きの表情に変わっていく。

ゆっくりと、まるで、コマ送りに進んでいるように、そんな風に見える。


次の瞬間、私の棍をまともに受けた彼女は、割れた魔石と共に吹っ飛んでいった。

先ず、1人。


しかし、相手も甘くない。

レイナの魔石を砕いたばかりの私の間隙を突いて、今度はカイヤが懐に飛び込んでくる!


横薙ぎに振るわれる二本の剣を、魔石に当たる寸前で棍を立てて受け止め、そのまま前に回転させて彼女の脳天を狙う!

一歩飛びずさって躱すカイヤ。

棍が脳天の当たるなんて思っていないが、もう少し反応が遅かったら躱し際で魔石を砕いていたところ。


いずれにせよ、長剣じゃあ、棍には勝てないさ!?

追い詰められたカイヤは距離をとる。


「 ジャンヌっ! 」


カイヤが離れた隙を突いて、ジャンヌが私に向かって駆けてくる。

私たちが何かをしようとしていると勘づいて、カイヤは此方に戻ろうとするが、もう遅い!


ジャンヌは地を蹴って跳び上がった。

そして、跳んだ彼女を、胸の前で構えていた棍で受け、レジーナたちの方に飛ばす!


ジャンヌは、私を踏み台に大きく宙に羽ばたいた!

一昨日のモルゼン戦のミーナの様に。


「 レジーナ姉! 」


声を頼りにジャンヌの位置を見極め、避ける我が校の前衛3人。


突如、自分たちから離れていく敵の前衛と、入れ替わりに躍り込んできた段ビラ使いに戸惑うガオの槍使い。

ジャンヌは両足をしっかりと地面に着けて着地し、そのまま前方に跳ぶ。

突然の侵入者を止めようと3本の槍が地面を縫うが、それを躱して一気に間合いを詰める!


地に刺さる槍を足で蹴って、ガオ前衛の懐に跳び込んだ!

魔石の一つが砕け散る。

次いで瞬時に後退、ヒット・アンド・アウェイだ!


割れた魔石は残念ながら、メリッサのものではなかった。

だが、これで前衛は2人対3人。

ジャンヌが下がると同時に、ミーナに襲い掛かるソフィア!


レジーナとウィルへミナがメリッサと打ち合っている。

先程の奇襲がよほどショックだったのか、足元の覚束ないミーナの魔石をソフィアが砕く!


そのまま、メリッサと対峙するレジーナたちと合流、参戦!

3人の棍の連打に槍一本で凌ぐメリッサ。

なんて、集中力だよ!?


だが、敢闘虚しく、メリッサの魔石は砕け散った。



第1ゲームが終了して、自陣に戻っていく両リーム。

レイナはちゃんと歩けているようだ。

感心、感心。


さて、メリッサは次にどういう手にでるだろうか?



*************************



*** メリッサの視線 ***


やられた、ヒルデガルドに。

此方が槍を持つなら、あちらも槍で対抗してくると思っていたが、棍で来るとは。

しかも、ジャンヌ・シューベルト!

昨年のセント・アンドリュース学院なら、あんな雑技団のような振る舞いは絶対に却下さていたはず。


これで、カイヤとレイナを迂闊にはヒルデガルドに向かわせることが出来なくなってしまった。

両チームの前衛は3人ずつ。

しかも、彼方の大将は4人目の混持ちであるヒルデガルド、こちらは、大将の私自身が前衛を担わざるを得ない。

まるで、一昨日のモルゼン学院の様な状況に陥っている。


チームメンバーも、状況をそれとなく解っているのか、表情が暗い。

状況を打破する案はないものか?!


「 メリッサ、これじゃあ、私たちはジリ貧だ。さっきのシューベルトを見ただろう?!

  彼奴、ミーナの十八番をとっちまいやがった! 」

「 ミーナの十八番 ・・・・・・・・・・!? 」


そこで私は当たった!

ヒルデガルドを出し抜く方法を。


「 シェリー、カイヤ、レイナ!貴女たちにやってもらいたいことがあるんだけれど? 」


私は、彼女たちを呼び寄せると耳打ちをする。



*************************


*** ヒルデガルドの視線 ***


さてさて、メリッサは何か妙案を思いついただろうか?


カイヤとレイナを迂闊に動かせないまま、メリッサ自身は、此方の前衛3人の的として晒され続ける。

精神的にかなりの負担だろう。


私と対峙したければ、此方の前衛を抜かなきゃならない。

つまり、うちの前衛を、少なくとも1人は倒さないことには、勝機は見えてこないという訳だ。


ソフィアとウィルへミナはジャック・ル・ブレ仕込みの手練れ。

レジーナにしても、本来、長柄の得物を得意としているから、そう簡単には抜く事とは出来ないはず。


さあ、第2ゲームが始まる。


あいつは、どんな手を打ってくるだろうか?!



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