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1話


目の前の世界の全てを否定するほどの轟音と眩い光が俺を襲ったが不思議と恐怖はなかった。


ってなんだか昨日見たラノベに引っ張られて変なこと考えてしまったがよくない傾向だ。妄想癖甚だしい。



「つーかなんだここは...」



だだっ広い真っ白な石造りの部屋に光が差し込んでいた

正面の壁には髪の長い女性らしき絵が彫られておりそれだけなら荘厳ささえ感じていただろう。



光の差し込む先にこたつとミカンさえなければ...



「なんかディテールに俺の想像力の限界を感じる」


なんか床も散らかってるし妙に生活感がある。

もうちょっと、もうちょっとだけ頑張ってくれ俺の夢!





「おうノロマやっときたな!喜べ今流行りの異世界転移だ。じゃあ飛ばすぞ3.2」



「はっ?」

「はぁ?」

「ハァアアアアア⁉︎」


いやいやいや、おかしいおかしいおかしい。

こんな雑な夢を見るほどに俺は異世界物にハマっていたのか?

認めたくはないがもしそうだったとしてももうちょっと頑張ってくれ。

少なくとも剣と魔法のロマン溢れる世界観であってくれ!



なんでドヤ顔でオコタに浸かってミカンに親指突っ込んで浮かして見せようとしてるやつに告げられなきゃならんのだ。

今どき小学生でももっとマシだわ、つかどっから現れたんだ?


もういいちゃっちゃと進めて夢から覚めてしまおう。

色々考えてるのももう疲れた、もうひと眠りしたい気分だ。



「なんだか今回はウルサイやつだな。準備できたか?時間もないしそろそろいくぞ」



「えっ、スキルとかボーナスとかくれないの?」



「なんだ結構知ってるのか。混乱しまくってるから今回はハズレかと思ったが面倒が省けたな」


なんかメタいな俺の夢。




「いやあのスk」

「今回は無い!以上じゃあいくぞ」


いやいやそこは頑張ってくれよ俺の夢ぇ。



「せめて転移する場所や目的くらいは教えてくれないか?」



「あぁあん?こまけーな、なんだぁ...アレだ、ご希望どうりの剣とちょっぴり魔法のある、そっちでいうなんていったっけ中世の...」


「なーろっぱか?」



「そうっそんな感じだ!目的はまぁ城目指せ、城 そしたら大体なんとかなる」



やっぱ雑だな、

まー夢が覚めるまで適当にこなしますか。



つーかこたつにズッポリハマりながら転移させようとすんなよ。綺麗な顔してんのに言動が死ぬほど崩壊してるぞ俺。

しっかし壊滅的に残念な夢なので気付くのが遅れたがこいつのキャラデザだけはやけに凝ってんな。

最近借りた中にこんなキャラいたっけ?



肩ほどにある少し癖のあ紫色を帯びた黒髪を雑にまとめ

切れ長な目唇は薄く恐ろしくなるほど真っ直ぐな鼻筋。

整いすぎて現実味のないコイツは

この荒っぽい口調じゃなきゃ男とは思えないほど美しかった



思わず瞳を奪われマジマジと見てしまう。

俺こんなのが趣味なのか?というかミカンの皮でクマを作んな。


あまりに残念さに奪われかけた心が現実に戻ってきた。



......いやいや違う、現実じゃ無いコレは夢だ。



「つーかオレ様、神サマだぞ?もっと敬いたまえ、まぁさっき外見だけは褒め称えてたから今回は許してやるが?」


はぁ?頭の中勝手に覗いてくるんじゃねーよ気持ち悪いな。

まぁ喋らせてるのもオレの夢なんだから仕方ないか



「あとおまえオレ様は夢とか妄想キャラなんかじゃねーぞ」



「はぁ」

いや夢だってこんなくっそ残念美男神(ざんしんなキャラ)いるわけねーだろ。

でも妙に肌や髪の質感いいな、いやもっと拘るとこあるだろ



「ちょくちょく夢夢いってるの全部伝わってるからな?まーいいや、とりあえず元とるまでは死ぬなよ転生さすのもタダじゃないんだから」

妙に庶民的な守銭奴神(ドケチ)が気安く肩を叩いてきた。

あっちょっといい匂いする...無駄に色気あんな。

っじゃない!おいミカン食いまくって黄色くなった手でワイシャツにさわんじゃねぇ!



「あとコッチで死んだら現実でもダメージ還元すっから気をつけてな☆」

はぁ何その無駄な設定あとで作者が困るヤツだろ。



この雑で現実的な夢の設定に突っ込むのも若干飽きてきたころ、


この世界に来たとき初めて感じた光が再び俺を襲う。



強烈な光は周りの景色は俺と自称神(サギシ)以外を奪っていき

そろそろこんな変な夢の脱却を期待させた。




「じゃそゆことでヨロシク♪」


......いやいつまでおるねんこの(バカ)は!



突如、足元が崩れ浮遊感に吐き気と恐怖でちびりそうになる。

今朝のおにぎりが顔をだそうとするのをグッと堪え生理現象で涙がでてくる。恐いわけでは決してない。ないったらない。


こんな感覚だけはすごく現実的(リアリティ)があってほんの少し不安を感じる。



「えっちょっ待っ」


起きたら布団の中の宇宙で超新星(スーパーノヴァ)なんて洒落にならない。

そんな高1はマズい、絵面的にも最悪だ。人気もでない。

そんな需要は無いし

妹にも一ヶ月はやいやい弄られれてしまうだろう。




「1名様ごあんなーい」




能天気な声を残し完全に世界が崩壊し

神がひらひらと気怠そうに手を振っていた。




「ふざけんなああああああああああ」



やっとこのむかつく(バカ)と夢から解放される。

起きた後のことは心配だけど一刻も早くこの悪夢から逃れるため、目を深く閉じた。










眉目秀麗で天才な(ジガジサン)神サマ「続きまーす☆」



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