01
前のプロット版から長く出来ないかと試行錯誤してます。
文才が欲しいです…。
暫く一話を何度も書き直します。
波動関数理論の登場により世界は変わった。
まず新素材の開発が進み宇宙エレベーターが完成してエネルギー問題が解決された。
核融合も作られた。
そして世界はアメリカ連邦、アジア連邦、欧州連邦、アフリカ連邦、ロシア連邦に分かれた。
そして戦争も変わった。
有人型戦闘ロボット、グランドオーダーが完成され核さえ波動関数理論が無効にし、戦略兵器が反物質しか通じなくなったのだ。
当然反物質爆弾は開発された。
そしてその反物質にも対抗できる新物質が発見された。
ある島でだ。
これにロシア連邦が不当占拠、各連邦は急いで連合を組み現在に至る…。
「結局システムの開発は間に合わなかったか」
アメリカ連邦グランドオーダー開発局ガーダー大佐は呟く。
新型のシステムは波動関数理論の可能性から超人によるシステム運営は有効ではないのか?と言う物だった。システムは有効では有ったが安全性の保証が取れなかったため軍にまだ採用されていない。
仕方ないこととは言え歯噛みする。
「したかないよ安全性が取れなかったんだから、システムの脳内への負荷が大きいんだし。安全性が取れなかったらイエスと言えないよ」
ウェーバーは内心軍の意見に賛成していた。
長期で運用して廃人になる評判が立てば軍に入るものが減る。
それは防衛の観点からして悪手だ。
ガーダーは悔しがっているが臨床実験は時間が掛かる、切り札として登載されるかもと言われているが危険性を伴うシステムである、誰も人権から使わせないし使用者本人も全滅を悟らない限り使わないだろう。
いよいよロシア連邦との全面衝突である。
反物質を反転させて普通の物質に変換させる波動関数の触媒物質が発見されたのがことの発端である。そこまでなら問題にならなかった。しかし波動関数理論により普通の物質での再現を試みると尽く失敗しているのだ。
これは神の物質だ!と持て囃される始末である。
しかしこの神の物質には欠点がある。
使い続けると消滅するのだ。
何故かは分からない。
質量が減るのではなく忽然と消えるのだ。
故に量が問題になる。
恐らくロシア連邦は量を確保したのだろう。
「神も波動関数理論で再現できない物質を用意するとはいかんともしがたい存在だな…。しかしこの戦争何か扇動されている気がする…。気のせいであればいいが」
「ウェーバー機体チェック認証…。また予知?君の嫌な予感よく当たるから恐いな、前なんて嫌な予感がするから別の道に行ったら行くはずの道だった先で事故が起きたじゃないか?君の勘よく当たるから恐いよ」
ウェーバーはよくガーダーの勘に振り回されていた良く不幸が起きるのだ。
「君か僕どちらか呪われているんじゃないかって教会に行ったのにこれだよ、国を動かすほど呪われているなら手の付けようがないじゃないか」
ウェーバーは内心で焦る。
それだけガーダーの勘は当たるのだ。
未来予知者でないかとテストも受けたほどだ。
しかしテストでは未来予知者ではないと出た。
好きに未来予知が出来れば宝くじも当たるのだがガーダー曰く嫌な予感しか当たらないそうだ。
「ウェーバーが不幸体質なだけだろう、事実俺一人なら嫌な予感は起きないぞ?」
「本気で言ってる?僕不幸体質なの?」
「ああ、最近では嫌な気配も薄れてきたがここに来てこれだ。本気で呪われていたかもな、最後の呪いだ」
「ちょっと待って、嫌な気配って何!?僕呪われていたの!?」
「もう完全に無いから安心して良い。所詮勘だ、曖昧な気配だから科学で証明も出来ない、呪われていたとしてもこれで最後だ。後はロシア連邦に勝てばいい、反物質対策もまだ間に合ってないはずだ。戦力はこちら連合が上回っている、何か新技術を投入するはずだが戦力は差を覆す技術はそう簡単に作れまい」
「ここ来てガーダーの予知だよ、でも確かに世界に喧嘩を売るぐらいだから新技術を開発したはずだ、なんだろうね?」
戦争も間近である。
ガーダーとウェーバーはグランドオーダーの機体チェックを入念に行う。
衝突まであと24時間。
一方、ロシア連邦。
「現在の荷電粒子砲は空気とのバリアを貼り、レールガンの要領で飛ばします。バリアに疑似質量を持たせバリアを強化する技術は完成しましたが荷電粒子砲に疑似質量を持たせる技術は距離の二乗で疑似質量が拡散されます。保持をする機構が短距離でしか維持できないのでまだ空気とのバリアを貼る波動関数理論と比べて空気とのバリアが距離に関係しない原理を探してる段階です」
「つまり間に合わなかったのだな?」
「反物質を無効にされる原理もまだ分かっていません、いずれ発見されるはずですが同じ波動関数なのに同じ性質を示さないのです、理論上開発は無理かと」
「分かった、今回の作戦は神の物質の原理が再現できないことを根拠にしている、いくら広大な土地を持つからと言って全てを占領できるわけではない、反物質爆弾を撃たれる可能性があるが世界は資源を欲しがることを選択した、この戦争だ。反物質爆弾が撃たれてないのが証明だな。物質の再現性もエネルギーから同じ原子を創造できないことが波動関数理論の実験からも示されているな…。信じがたいがまさに神の物質だ、エネルギーから創造できないのだ。神の物質としか言いようがない」
そうどこの研究機関もエネルギーを投入して波動関数理論から物質創造する実験を行ったのだ。
しかし失敗。
「通常の物質なら作れるが神の物質だけは作れないか…。まさに先手必勝だな、ロシア連邦の軍事開発で軍事的不安もない、バリアでやつらを無力化できるのだ、最後は反物質爆弾を撃つだろうがな。ここ神の島だけにしか地球全体を波動関数理論でサーチしても見つからないのだ、最後は撃つだろう。上層部は反物質対策もしたと言うが急造だ、不安要素しかないな」
ある階級の男は言う。
「しかしダメ元でやってみる価値はあると判断したか」
これがロシア連邦が世界に喧嘩を売った理由である。
「最後は反物質爆弾でダメになるだろうが急造の新型対反物質爆弾装置も用意で対策もした、やってみる価値はあると判断したか。まあ急造だが信頼はできる勝利は間違いないだろう。ダメだったとしても反物質爆弾が切り札なのは変わらん。宇宙衛星からエネルギーも独自に確保する路線を確保した。これで未来これによって以上の戦火は無意味だとロシア連邦は主張するだろうな、お互いにエネルギー源を破壊すべきではないと」
一方ガーダー側。
「神の物質は何度も使用すると消滅する、このことはロシア連邦は知らないはずはないのになんでこんなことをしたんだろ?」
「おそらくウェーバー、それが新技術なのだろう。それが何かは分からないが時間的に急造の対策だ。賭けに出たのだろうな、さらに軍事的にも新技術を開発したはずだ」
確かに根拠が必要となるロシア連邦の軍事行動である。推理するのは簡単だ、自信が有ると。
「最後は反物質爆弾で島を消滅出来ないと僕らの負けだね。反物質爆弾戦争は地球が終わるから行わないだけで対策されたら徐々に消される可能性があるからね。こっちも急いで効果範囲を広げる研究と消滅を防ぐ研究を行わないと軍事的に敗北するよ」
「敗北すれば時間との勝負だな、徐々に国境が増やされるはずだ。永遠に開発できなければロシア連邦だけになる、予感ではそんな気はしないのだがな…」
「君の勘、当たるから朗報だね。ああ良かった。」
一方その頃ロシア連邦の研究機関で極秘に話が進められていた。
何度も試したが消滅しない神の物質があると。
これが新型の対反物質爆弾装置である。
このことは当然秘密にされている。
研究員は信じられない顔を今でもする。
「ガーダーはどんななのだと思う?新技術?」
「恐らくは永久的に神の物質が消えない技術だろう。だが予感では穴がある気がするな、我々が見落としているような重大な穴が」
「何それ?穴って?朗報だけど自分達も見落としている穴って何?」
「わからん。予感だからな。前提が狂うような穴があるはずなんだが…」
「恐いな、それ…」
ウェーバーは恐怖する。
ガーダーには何度も救われた勘だ、当たっている可能性がある、前提が狂うような穴がある言われ何が間違っているのか分からないガーダー達。
時間が経ち、ロシア連邦の海軍と連合の海軍が睨み合う。
「いよいよ戦争だガーダー、期待してるよ」
「ああ、だが嫌な予感がする、今回の作戦は失敗するかも知れん」
「何?突然?君の勘はよく当たるから恐いよ」
「ああ、後最後の予感になりそうだ…。第六感でも目覚めたか?死期が見えているような予感だ」
「何それ?笑えないよガーダー」
その時謎の機体二機が空から現れたと通信が入る。
「G1 、これよりソレイユ統一戦争を行う」
「G2、俺もこれより統一戦争を行う」
謎の緑の発光体を背から放出する機体がそれぞれの陣営の空母の機体を破壊して行く。
「なんだ!?あの機体は!?ソレイユだと?どこのテロリストだ!両方の陣営を襲っているぞ!」
ガーダーも機体で出るがバリアが強力なのか無効にされる。
「これが嫌な予感の正体か…。笑えぬほど高性能だ、単機で軍と戦えている。まずスピードがあり得んほど速い、あれだけのスピードだ。空間事物質バランスを保ったまま質量強度を上げるシステムが優れている証拠だ、ウェーバーはアリスシステムの完成を急ぐべきだった。対抗手段がそれしか無い」
バーニアを吹かせ、補助程度の重力操作で浮かぶが相手は重力操作のみで動いているのか機動性が高い。
ガーダーも落とされる。
機体から脱出して救難信号を発するガーダー。
両軍はそしてソレイユという組織に落とされた。
ここまで死者が両者から出ていない。
艦も武装を丁寧に不自然なほど武装だけを破壊された。
ビームも使われ、コックピット事撃ち抜かれた者も居るがなぜか死なず、海に落ちても死ななかった。
もしもの時の新素材の救命具を付けているので海に浮いている。
助かったのか?そう思いながらも救難信号を発するパイロット達。
ロシア連邦のバリアも無視するように破壊されている。
「何?ロシア連邦は反物質爆弾を撃ったとだと!?」
「ソレイユとかいう組織に渡すぐらいなら破壊を選んだか…我々も階級が上がるな…新型の対反物質システムもロックされた、痛みが一瞬なのが救いだな…。」
それぞれの陣営は悲痛な叫びを上げる。
だが、
「軍から入電!全ての反物質爆弾が空中で爆発したと!さらにソレイユなる組織が全てのメディアをハッキングして声明文をだしたと!」
人々は戦争に不安になっていた。
そこに突如としてテロリストから全てのメディアが占領され驚いた。
全ての連邦と国が同時にメディアを占領されたのだ。
「我々ソレイユは現在、神の島に置いて両陣営の連邦と戦闘を行った。我々はこの世の全ての神の物質を消滅させた。神の物質は我々が創造したものだ。目的は侵略による世界統一だ。我々は後、十年後に襲来する宇宙生命体と対等にならなければならない。そのために統一戦争を行う」
この事は世界に知れ渡り、死者負傷者0人と言うソレイユ戦争の事実と神の物質が無くなったと政府からも宣言されソレイユが本気だと悟った。
その後アメリカ連邦のラボで…
「どう思うウェーバー?技術主任として君の意見をあの機体に対して聞きたい」
ウェーバーは悩む、あの機体の性能は異常だ。
戦場で死人も負傷者も出さなかった。
「恐らく手加減されているね、死人も負傷者も出なかった。瓦礫で挟まった人が何故か自力で出られた話が出回っている、つまり保護されていた訳だ。そんな大規模な戦場で覆うほどの力場を作るなら相当の電力消費をするはずだよ。それを戦力に回せばもっと強いはずだ。僕たちは補助程度しか重力操作が出来ない。一番力が弱いからだ。磁力や電磁波を関知しなかった、つまり重力操作で機動力を確保したはずだ。それだけでも技術力の高さが伺えるね。戦力差は絶望だよ?」
「なるほど相手は不殺を行うなら何度でも挑めるな。その言いようでは技術の解明は出来なかったのだな?ロシア連邦のバリアの解明はしたと言っていたがあの機体の波動関数理論は分からなかったのだな?」
「波動関数理論のセンサーすら無効化されたよ。お陰で仕組みが分からなかった。全員が視認するまで気付かなかったはずだよ、あの光の粒子が秘密かも知らない」
「さらに神の物質を作ったと豪語する組織だ、狙って物質を消滅させる技術も有るのだろう。創造したのは信じられんがもしそうなら神の物質など最初から無かったと言う前提を覆す話になる。これが予感だったのか分からないがソレイユの科学力はどちらにしても侮れないことになるな。常に命を握られていることになるからな」
「恐いね、狙って物質を消滅させるなんて。神の物質が特殊だから出来ただけかも知れないけど。ガーダーの予感で何か分からないの?」
「予感か…。最近は何かに邪魔されている気がするから分からんな…」
「何?それ?予感って邪魔できるの?」
ウェーバーとガーダーは秘策を用意するために研究をシステム開発を進めることにした。
アメリカ連邦の軍では急遽アリスシステムの導入を未完成のまま進める…。
成果が出ている物がそれしか無いからだ。
軍には秘策があると世間に言い宥めようとするアメリカ連邦。
しかし民衆は不安がっていた。
軍はすでに全軍が投入され壊滅していると、残っている軍は有るのかと?
これに対してアメリカ連邦はアリスシステムの導入に遅れて議会を設け備蓄していたエネルギーを放出する決定を下した。
アメリカ連邦はマスクウェルの悪魔を実現させ無限にエネルギーを用意できると公表し、実際に機体を即時に製造、揃えたと公表した。
実際に機体を見せられ安心する民衆。
さらに物質の限度があるが無限のエネルギーを供給され従来より優れていると公表した。
ただしこれは国家機密で有ったため、議院も軍関係者も知らなかった突然沸いた技術であると打ち明けられた。
アリスシステムの導入を決めた後に沸いた技術である。
各国は技術提供を求める。
アメリカ連邦は反物質爆弾にも対応できるようになったため拒否。
各連邦は焦るばかりである。
その頃ソレイユ内で…
「G3、有機型アンドロイドによる情報操作を完了。技術提供により未来予測を修正、…確認。良好と判定、プランを続行する」
そう突然沸いた技術とはソレイユが流した技術なのだ。
プランに基づき計画を進めるG3のパイロット。
謎の計画は進んでいく…。
ある噂が飛び交っている。
あの最初の波動関数理論の提唱者、五十年前のガーベルド・バーンがソレイユの組織を作った人物であると。もう年齢的に故人のはずだが彼は生きていると。
あるジャーナリストはある男から電話を受け取材に向かった。
「あなたがソレイユと繋がっていたというのは本当ですか?」
「ああ、私はソレイユにいた。技術開発者では無かったので技術には詳しくは無いがソレイユも無限のエネルギーを手に入れている、ガーベルド・バーンが未来を予知するラプラスコンピュータを作り宇宙生命体を知ったそうだ。最初は彼はクローンを未来予測から完成された理論を知り、クローンだけで組織を作ったらしい。外部にも組織を広げるために私が人脈を作っていた。関係者は各連邦内部に居る、その人脈データがこれだ」
男はデータ媒体を渡そうとする。
すると突然苦しみだした。
ジャーナリストは焦り救急車を呼ぶが死亡する。
その人脈データに不正行為が記録されており、事実だと証明され、逮捕者が出た。
全員が無実だと言うが不正行為は事実である。
不正行為だけの立件で逮捕可能なのだ。
スパイ疑惑もある。
記憶を覗く装置はまだ未完成なので立件は難しいが拷問紛いにまで発展して尋問をされる容疑者達。
「G3、有機型アンドロイドの擬似死を実行、情報戦はこちらが上だ、未来予測に不安を与える人物には退場してもらう。未来はハッキングしてコントロールしている。有機型アンドロイド以外には拷問は行われないから安心して退場すると良い、人類の未来のために」
こうして謎の技術により未来はコントロールされ、未来予測に不安を与える人物だけを排除するソレイユ。
技術ではこちらが上だが人脈をソレイユに傾けるほどの時間が無かった。
「ガーベルド・バーンが創設者なのは事実だが人脈までは築けない。50年掛けたが技術力を先に行きすぎた。一連邦だけが持って良い技術ではない。我々は抑止力になるのが正解だ。抑止力になることで平和へと導くと未来予測が教えてくれる」
組織図も各連邦内部に忍ばせている。
支配までは出来ないが都合のよいようにアメリカ連邦を議院で動かしている。
アリスシステムの採用やマスクウェルの悪魔の発覚もあたかも元から有ったように振る舞えた。元々存在しない組織を存在していたかのように動かしたのだ。
アリスシステムは人類の未来のために必要だと未来予測で出ている。
「アリスシステムが生まれるのは未来予測では必然だったが偶然だった。その理論の完成形を僕らも早く体得せねばならない。そのためのニューヒューマンノイド、僕らだ。後はG1が覚醒すれば未来に不安は無い、アリスシステムが全てを解決させてくれる。誰かが覚醒すれば良い。真の覚醒者は少ないだろうがそれも未来予測で教えてくれる。最悪のシナリオだがそれでも希望はある。真のニューヒューマンさえ生まれればニューヒューマンノイドに頼る必要が無くなる。人類が自力で生き残らなければ人造人間だけの世界になってしまう」
G3のパイロットは独り言を呟く。
後は統一戦争だけであると。