4 赤ずきん
久し振りに更新しました。これからも時々更新していきますのでその時はよろしくお願いします。
それはある日のこと。
赤ずきんの保護者と思われる女性は赤ずきんに向かって言いました。
「赤ずきんや、おばあさんのお見舞いに行ってあげなさい」
そういうと赤ずきんの保護者は、赤ずきんにブランデーや松坂牛など、どう見てもお見舞いとは思えないような代物を渡しました。
(こいつ、ばあさん殺す気かよ………)
赤ずきんはそんなことを考えましたが、反論するとお小遣いを減らされてしまうため、そのまま出発することにしました。
「セバスチャン、車の用意を」
赤ずきんがそう言うと、セバスチャンと呼ばれた、いかにも執事のような身なりの男が出てきました。
執事ですから。そりゃ執事のような身なりですよ。
「はい、お嬢様」
そういうとセバスチャンは赤ずきんを玄関へ連れて行き、用意されていたロールスロイスに乗せました。
赤ずきんが出発すると、セバスチャンは悪者っぽい微笑みを見せ、家の中に入ってゆきました。
赤ずきんを乗せたロールスロイスはぐんぐん加速し、やがておばあさんが住んでいる森の中に入って行きました。
途中赤ずきんはキレイな花を見つけ、おばあさんにあげようかと思いましたが、あまりにも車のスピードが速すぎてすぐに花は見えなくなってしまいました。
そうこうしてるうちに赤ずきんを乗せたロールスロイスは、おばあさんの家に着きました。
赤ずきんがおばあさんの家に着くと、家の前にメイドが勢揃いしていました。
「「おかえりなさいませ、お嬢様」」
(別に帰ったわけじゃないんだけど)
赤ずきんはそう思いながら家の中へ入ってゆきました。
赤ずきんがおばあさんの部屋に着いたのは10分後。おばあさんが暮らしている家は初代当主の邸宅だったので、広さは東京ドームに匹敵するほどあったので、赤ずきんはおばあさんの部屋に着くまでに疲労してしまいました。
赤ずきんがおばあさんの部屋に入ると、そこにはおばあさんの格好をした狼が眠っていました。
狼は完璧な変装をしているつもりでしたが、赤ずきんにはバレバレでした。
しかし赤ずきんはわざと騙されていつか童話で見たような質問をしてみることにしました。
「えーと、おばあさんや」
「なんじゃい………いや、なに?」
「なんでおばあさんの耳はそんなに大きいの?」
「それはね、最新鋭のサラウンドシステムも漏れなく聞き取るためなんだよ。
べ、別に赤ずきんの声が聞きたいからなんかじゃないんだからねっ!!」
(ツンデレかっつーの。狼のくせしやがって)
赤ずきんは早速めんどくさくなってきましたが、しばらく質問を続けることにしました。
「おばあさんの目は、なんでそんなに大きいの?」
「それはね、大画面の液晶テレビを見るためなんだよ」
(家電好きだな………)
赤ずきんはそう思いつつ、さらに質問を続けました。
「おばあさんの鼻は、なんでそんなに大きいの?」
「それはね、空気をたくさん吸うためなんだよ」
「おばあさんの手はなんでそんなに大きいの?」
「遺伝。」
(あ…そうすか……)
「今回のゲストは赤ずきんのおばあさんに扮する狼さんでしたー」
「口のこと聞けよ!てかバレてたんかい!!」
「じゃみんな、やっちまえ☆」
赤ずきんがそう言うと、部屋の周りにいたガードマンが一斉に狼を押さえ付け、リンチしてやりました。
「あ、おばあさん助けるの忘れてた………」
その後おばあさんは無事助けられ、余った狼はスタッフがおいしくいただきました。
その頃、家の前を通り掛かった猟師は………
「あれ?俺の出番無かったっけ?」
完
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