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異世界っぽいVR世界に閉じ込められたけどなんとかなりそうです。  作者: ねぎとろ


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87話 『隙を突く』

申し訳ありません。予約投稿忘れてました!!

 横から迫ってきたホブゴブリンファイターの持つ剣の攻撃を避けることのできなかった俺は、致命傷を避けるために体を無理矢理捻り、脇腹を切り裂かれる程度で済ますことが出来た。

 もちろん、俺がダメージを受けたのと同様に、確実に俺の槍で貫かれているホブゴブリンキャスターは絶命していた。


「はぁはぁ……ほんと、槍のこの能力は便利だな」


 久しぶりの痛みに少し足元がふらつくが、俺はホブゴブリンキャスターへと突き刺さっている槍を手元へと戻す。既に五十程度いたゴブリンの大群は残すところ十数体となっている。チラッとシロとメアの方へと視線を向ければ、シロとメアの周りにも十数体のゴブリンが死んでいることから、ゴブリンの三分の一はシロとメアで倒したという事になるだろう。メアがどんな風にゴブリンを殺したのかは気になる所だが、今は俺の視界に映っているホブゴブリンファイターと、ホブゴブリン、ゴブリンを対処する方が優先だろう。


「ちょっと油断しすぎたかな。いくぜ、ここからが本気だ!」


 プレイヤーたちの襲撃を見事片付けた後だったからか、俺はゴブリン程度と侮っていたのだろう。だから、今回ホブゴブリンファイターによる奇襲を避け切る事が出来なかったのだ。しかし、冷静に戦場を見極め、ゴブリン達の攻撃を読めば、殆どが単純な攻撃。もはや今の俺にゴブリンたちの攻撃が当たることはないだろう。


 最も、只のゴブリンの攻撃が当たらないだけだが……


「くっ、おらぁ!!」


 ホブゴブリンファイターを軸にして、ゴブリン達が攻めてくる。既にゴブリン程度なら、防御からのカウンターで何匹か仕留めているが、あと少しの所でホブゴブリンファイターには攻撃が届かない。

 ゴブリンの頭を掴み、ホブゴブリンファイターへと投げ、その間にホブゴブリンを仕留めようとも考えたが、そんな事をすればあっという間に囲まれてしまうだろう。


 今はまだ、防御に徹するのが最善なのかもしれない。


「余所見なんてしてんじゃねえ!」


 防御に徹しながら、攻めてくる雑兵のゴブリンを仕留め、残りがホブゴブリンとホブゴブリンファイターとなった所で、何故かホブゴブリンもホブゴブリンファイターも俺以外のところへと視線を向け始めた。

 アーサーとロードの戦闘音が聞こえなくなったということは、恐らくロードが負けたのだろう。だから、ホブゴブリンファイターもホブゴブリンもロードの方へと視線を向けているのだ。


 けれど、ここは戦場。余所見をすれば隙が生まれるのは必然であり、俺はそこを見逃さなかった。


 槍の威力を信じ、先に厄介なホブゴブリン共へと突っ込む。


「ギャッ!?」


 俺が突然攻めてきたことに驚いたのかは分からないが、俺の槍に貫かれ絶命したホブゴブリンは驚愕の表情を浮かべていた。

 当然、仲間の一体が殺されたことにより、他のホブゴブリンとホブゴブリンファイターも守りの姿勢に入ったが、既にもう遅い。弱点である頭と心臓を穿ち、切り落とし、錯乱し突撃してきたホブゴブリンも簡単に貫き殺す。


 一瞬の隙により、ホブゴブリンファイターの仲間は誰も居なくなってしまったのだ。


「よぉ。あとはお前だけだな」


 ホブゴブリンファイターも俺をようやく手強い敵と認識したのか、先程とは違う構えをしながら、俺を睨みはじめた。

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