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異世界っぽいVR世界に閉じ込められたけどなんとかなりそうです。  作者: ねぎとろ


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82話 『昔の仲間?』

 馬に乗ったのは良いものの、俺は全く馬を乗りこなすことが出来なかった。当然、シロも出来ないと思ったが、先に出発してしまったアーサーを見て、シロが焦ったように手綱を俺から奪い取った。


「マキト! シロに任せて!」


「ちょっ! シロ! お前馬を走らせれるのかよ!」


「こんなの感覚でどうにかなるもん!」


 手綱を取り、シロは馬を走らせ始めた。俺はただその光景を見てることしか出来ず、シロが上手く乗りこなし、アーサーに追いついた時にはもはや驚きしかなかった。


「シロ、中々に上手いな」


「ふふん。これくらいは出来て当然だもんね!」


「……俺は出来ないんだけどな……」


「むっ、前方にゴブリンだ! マキト! 任せたぞ!」


 アーサーとシロが並行して走っている時、俺たちより遥か前方、おおよそ300メートル先にゴブリンが数匹現れた。どうやら俺たちを襲うために待っているようだ。


「おう! モンスターなら任せとけ!」


 シロは馬を走らせるのに手一杯であり、アーサーはきっと馬に乗りながらでも倒せるのだろう。けれど、敢えて俺に役目を与えてくれた。何も出来ない俺が不憫にでも感じたのだろうか。


 しかし、任せられたのなら俺はその頼みを断る訳にはいかない。乗っていることしかする事もないし、今の俺に出来るのはゲイボルグを投げてモンスターを倒すことくらいだろう。


「まずは一番でかい奴からぶっ殺す!」


 ゴブリンの集団の中には、ボブゴブリンという少し大きめのゴブリンも存在した。きっとそいつがこの集団の長だろう。ゴブリンもボブゴブリンも大した敵ではなく、俺の投げたゲイボルグによって、丁度重なるように立っていたボブゴブリンとゴブリンが一匹ずつ貫かれて絶命した。


 残りは三匹のゴブリンだけとなったのだ。


「マキト! あいつら弓矢を使ってくるみたい!気を付けて!」


「シロ! 蛇行しながら走れ! ゴブリン共の知能は馬鹿にならないぞ!」


 ゴブリン達はシロの言葉通り、走っている俺たち目掛けて矢を放ってきた。だが、アーサーの指示通りに動き、ゴブリン達の放った矢は馬はおろか、俺たちに当たることもなかった。


 ゴブリン達との距離も近くなってきており、もう一度ゲイボルグをゴブリン目掛けて投げようとしたその時だ。


「グギャ、グギャギャ!」


 ――何故かゴブリン共は真っ黒のコウモリに襲われ始めたのだ。死に至らせるほどのダメージを与えているわけではないみたいだが、突然の奇襲にゴブリン共は戦意を喪失したのか、脱兎の如く逃げ始めてしまった。


 しかし、ゴブリン達が居た場所には未だ真っ黒のコウモリ達が飛んでいる。ゴブリンを攻撃したことから、味方なのか敵なのかは分からない。けれど、今更馬を止めることは間に合わず、俺達はコウモリの居る場所へと到達してしまった。


「くっ、こいつら……あれ? こいつら、もしかして……」


 槍を構え、コウモリを撃退しようかと思ったが、どうやら様子がおかしい。それに、どこかで見た事のあるようなコウモリだったのだ。


「マキト! この子たち、ナイトメアバットだよ!」


「だ、だよな! ってことは敵じゃねえってことか!」


「ま、待て! 二人とも! ナイトメアバットはモンスターだぞ!? それに、そもそも何故このような時間帯にナイトメアバットが姿を見せているんだ!」


 ナイトメアバット。その存在自体が、そもそも名前の通り夜に出てくるようなモンスターだ。確かに、朝方であるこの時間帯に出てくるのはおかしい。もちろん、本(・)来(・)な(・)ら(・)ば(・)だ。


「シロ。思ったんだが、今の俺にモンスターテイムのスキルがあっても、ナイトメアバッドトをテイムしたのは結構前だし、あいつらは野生化して俺達の敵になってるんじゃねえか?」


「んー? でもなんか友好的にも見えるよー?」


 今俺たちの前をバサバサと飛び、馬の動きを止めてきているナイトメアバットに敵意はない。もちろん、それは俺が召喚したナイトメアバットだから、だと思っていた。しかし、モンスターテイムがあっても、殆ど会ってない状況だと果たしてどうなのだろうか。さすがに自分で召喚し、助けてくれたモンスターを殺すのは躊躇してしまう。


「マキト。さすがに話してもらっていいか? 話が全く分からないのだが……」


「ぐっ……すまん。さすがに話すよ」


 アーサーが訳が分からないとでも言いたそうな顔をしてこっちを見てきている中、シロはナイトメアバットと戯れていた。

 俺は深くため息をつき、馬から降りて、急いでいる中アーサーにナイトメアバットについて説明を始めた。


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