73話『プレイヤー達の思惑』
プレイヤー達の拠点となっている村から少し離れたところで俺達は馬車から降りたのだが、奇襲するつもりが逆にプレイヤー達の集団に待たれていた。
ゴブリンキングが王都に来るという情報もアーサーに伝えないといけないのだが、プレイヤー達を倒してからでもまだ間に合うはずだろう。
「ようやっと来たか。随分遅かったじゃねえか。俺の飼ってたペットにでも手こずったか?」
プレイヤー達のリーダーなのだろうか、集団の先頭に立つ如何にも悪そうな顔をしている男が馬車から降りたアーサーへと向かって叫んでいた。
「なに。あの程度に私は手出しをする迄もなくてね。それにしても、2人でも倒せる程度のモンスターを置いとくなんて、君たちもあまり強くないみたいだね」
アーサーは挑発するかのように言っているが、ここで弱気を見せる訳にはいかないのだろう。
ヒュドラは決して弱いモンスターではないが、敢えて2人という少人数の数字を出すことで相手にマウントを取るつもりだ。
「ほぅ。そこまで言うのならあんたらは相当お強いんだろうな。けど、プレイヤーとこの世界の人間には覆せねえ差があるのも分かるだろ? こっちは30人程度のプレイヤーだぜ? 制圧出来ると思ってんのか?」
「あぁ。君たちなど王にとっては弊害にすぎない。だからこそ、側近魔術師は私だけなのだよ。それに、プレイヤーといっても個人差がある。あまり騎士団を見くびらない事だな」
アーサーが口を挟む前にグウィンが喋り、プレイヤー達を牽制する。
確かに、アーサーを含む騎士団はそれなりの実力はあるだろう。
……もちろん、プレイヤーには劣るかもしれないが。
「なぁ、お前らの中にもプレイヤーが居るんだろ? どうだ? 俺たちの仲間になって王都を攻撃しないか? 今なら、ゴブリンキングと共に襲えるぜ?」
「……ゴブリンキングだと? 一体どういう事だ」
まだゴブリンキングの情報はアーサー達には伝えていない。そして、何故プレイヤー達がこの情報を知っているのかも分からない。
けれど、ゴブリンキングとこのプレイヤー達は目指すものは一緒なのだ。王都を奪い取る。ゴブリンの軍団にも意思疎通が出来るものが居れば、このプレイヤー達と繋がることが出来るだろう。
「なぁ、聞こえてんだろ? 無視すんのか? それは俺たちの誘いを断るってことだよなぁ。んじゃまあ、お前らは運営からも見放され、俺たちに殺されるって訳だ。精々自分を恨むんだな」
「待て。貴様は運営とやらの情報で、まさか世界を征服するつもりなのか?」
アーサーとプレイヤー達のリーダー、それとグウィンだけが会話をし、後は全員警戒しつつ武器を手に持っている。もちろん、俺も武器は取り出し、いつでも攻撃が出来る姿勢はとっていた。
「あぁ。あんたはどうやらプレイヤーじゃないから知らないだろうけどな。どうせ全員殺すから教えといてやるよ。運営はなぁ、この世界さえ征服すれば俺たちを元の世界に帰してくれんだよ。だから、俺達はゴブリンキングとも手を組んだってわけ。ここに居る奴らも元の世界に帰りたい奴らだしな!」
「お前はその情報が嘘だとは思わないのか?」
「グウィンの言う通りだ。お前達は踊らされている可能性も考慮できないくらい頭が悪いのか?」
「うるせえな!! 殺されるんだから黙っとけよ! そうだ、最後に俺の名前だけ教えといてやるよ。俺はこの世界を征服して王になる男。『ユウガ』様だ!」
ユウガという男の声と共に、敵対しているプレイヤー達は武器を取り出し、俺たちへと走り出した。
騎士団含む俺達も武器を構え、様々なスキルを使ってくるプレイヤー達に対して、迎撃を始めるのだった。
リアルが忙しくなるため、更新頻度が変わります。次回からは2週間に1度となります。ご了承ください。
安定したらまた変わるかもしれませんのでよろしくお願いします。




