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異世界っぽいVR世界に閉じ込められたけどなんとかなりそうです。  作者: ねぎとろ


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59話 『案内』

やべぇ。めっちゃ遅れました!

 王都に入り、走り出してから冒険者ギルドは割とすぐに見つかった。というよりも、分かりやすく配置されていたから分かったと言えるだろう。王都において冒険者達は大事なのか、それとも王都にあるからなのか、街にあった冒険者ギルドとは比べ物にならないくらいの大きさの建物だった。


「さて、王都の冒険者ギルドに入る訳だが、準備はいいか?」


「大丈夫だよっ!!」


『念の為私が先に入ります。後からマスターが……』


「───いや、ここは王都の中だから俺からで大丈夫だ」


『かしこまりました』


 扉に手を掛け、少しの力を込めて押す。空いた隙間からは多数の人間の声や、料理の匂いが漏れてきていた。そんな中、俺は意を決して中へと入って行った。


「お、おぉ。これはすげえ」


 中に居たのは数えれない程の冒険者達だった。酒を飲み、料理を食べ、依頼ボードからクエストを選んだり、ギルドの受付と話している人もいる。けれど、きっとこの中にもプレイヤーは居ないのだろう。すぐに判別出来れば良いのだが、俺自身プレイヤーではあるが、これといってプレイヤーである証拠のようなものはない。一番最初の時に来た運営からのメールを見せてもらえればハッキリするのだろうが、初対面からそんな話をすれば変な目で見られる以外ないだろう。


「マキトー? なにをそんなに睨んでるの?」


「ばかっ。睨んでねえわ!」


『……マスター。このギルド内に、多分ですがマスターと同じようなプレイヤーと呼ばれる者が居ます。私のようなモンスターだから分かるのかもしれませんが、マスターと同じような気配を複数感じます』


「そうか。まぁでもまだ分からないなら下手な行動は取らない方がいいな」


『はい。それが宜しいかと』


「2人ばっか隠し事ずるいー! シロにも教えて!!」


 クロの言葉が真実なのかはわからないが、今はとにかく信じるしかないだろう。確かに、この世界がゲームの世界であり、他のプレイヤーも居るのなら冒険者という道を選んで生計を立てるのもアリと言えばアリな筈だ。この世界から出たくない人も居るだろうしな。


「あ! 貴方達がディルムッド様からの推薦を受けてる方ですね! どうぞ! ギルドマスターがお待ちですよ!」


 シロが大きめの声を出したのが原因か、いや、きっとギルドにはディルムッドから何らかの話が通っているのだろう。俺は全く知らないが、ギルドの受付の言葉通りなら俺達が来るのを待っていたという事になる。


 ただ、ギルドの受付がわざわざ話し掛け、大きい声でギルドマスターがお待ちです。とまで言われれば、この騒いでいた空間が静かになるのも無理はない。


 皆の視線が集まる中で、俺たちは受付の後を歩き、無言でついて行く。

 ギルドマスターの部屋へと連れられのかと思いきや、俺達が受付に連れられたのは1つの広い部屋だった。


「あの、ここはなんの部屋ですか?」


 どうしてここに連れられたのか分からなかった俺は、とりあえず事情を知ってそうな受付へと聞いてみる事にした。


「はい。今回はディルムッド様と、以前貴方達が居た街のギルドマスターより特別に推薦がありましたので、ただいまより冒険者資格昇格試験を開始致します。上級冒険者との模擬戦闘となりますので、試験会場はここと決まっているのです。説明が足りず申し訳ありません」


「あ、いえ。理解出来たので大丈夫です」


「ねぇねぇ。シロも誰かと戦うの??」


「あー、うん。どうやらそうっぽいな。中級冒険者に上がるために戦うんだってさ」


『私は僭越ながら少し楽しみです』


 受付が深々と礼をすると、俺達が来た道から四つの足音が聞こえてきた。鎧の音も混じっているのを聞く限り、俺たちの模擬戦闘の相手となる人物も居るだろう。


「では、ギルドマスターが来られましたので私はここで失礼致します」


 受付が去り、俺達は足音のした方へと体の向きを変えた。


 そこに立っていたのは、赤と白と青の全身フルプレートを装備した三人と、やけに険しい顔つきの爺さんだった。

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