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49話 『見送りと餞別』

ちょうど50話の次から王都に向かうようにしました!!笑

 ディルムッドの居る場所へと辿り着き、俺は目覚めているディルムッドと会話を始めた。


「よお。もう行くんだってな。済まないな、本来なら俺の依頼だってのに任せちまって」


「いや、むしろ俺たちなんかで依頼を遂行できるか心配ですよ」


「その点は大丈夫だ。お前達の強さは俺が保証するからな。おっと、そうだ。今回お前を呼んでもらったのは、お前に渡したい物があったからなんだよ」


「渡したい、もの?」


 ディルムッドは寝ていたベッドの脇にある小さめのバッグから一つの武器を取り出した。武器を取り出したことについても驚いたが、それよりもどうやって小さいバッグに武器を納めていたのか俺には分からなかった。


「ん? あぁ。驚かせてしまって済まない。まだ君たちは持っていなかったのだな。このバッグは『マジックバッグ』と言ってな、魔力量によって違うが、例えば俺の持ってるこのバッグはこの小さいバッグなのに、家一個分程度までなら入れる事が出来る。それに、どういう仕組みか俺にも分からないが、このバッグの中は時間が止まっているらしくてな、食べ物とかも腐らないんだ。便利だし、王都に行ったら冒険者ギルドで依頼を受けるといい」


「へぇ。そんな便利なアイテムあるんですね。王都に着いたら真っ先に手に入れようと思います」


「まぁでも、このマジックバッグの依頼は結構大変だからな。気を付けろよ?」


「モンスター、討伐とかですよね?多分……」


「ん? あぁ、依頼対象のモンスターはまぁドラゴン種の最下級だからお前達ならヘマをしなければ大丈夫だろう」


 ドラゴン種。その言葉を聞いて、俺の胸は少しだけ高まった。なんていうか、俺がまだ厨二病だからなのかもしれないが、やはりこういうゲームの世界なのだから一度ドラゴンというのを見てみたかったのだ。


「あ、それで、俺になにを渡す予定だったんですか?」


 ついついマジックバッグについての話で忘れそうだったが、そういえばディルムッドは俺になにかを渡す為に呼んだ筈だ。


「そうだったな。つい俺も忘れていたよ。まぁなんていうか、俺の昔使ってた武器をお前に渡そうと思ってな」


 そう言ってディルムッドが渡してきたのは、黒と白を基調として使われている綺麗な槍だった。まるで使っていたのが嘘かのような状態の槍だ。


「これを、俺にくれるんですか?」


「あぁ。まぁその武器も俺のマジックバッグで保管されてるよりも、使ってくれる人の元に渡った方が良いと思うしな。それに、お前なら多分槍を使いこなせると個人的に思ったんだよ」


「あ、ありがとうございます!! まさかこんなに良い武器をくれるなんて……」


「心配するな。ただ、これだけは約束してくれ。その槍はなにがあっても売ったり、あげたりしないでくれ。約束できるか?」


「はい! 」


 そもそも、人から懇意に貰ったものを売ったりするなんてことはしないだろう。まぁ世の中にはそういう人も居るから念の為俺に言ったのかもしれない。


「いい返事だ。おっと、そろそろ時間だな。それじゃ、最後に軽くその槍の能力と名前だけ教えとくとしよう」


 その後、ディルムッドから簡潔に貰った槍についての説明を受け、俺はディルムッドと別れた。簡潔に聞いた説明だけでも、どうやら俺が貰った槍は相当な代物のようだった。


「あ、マキトだー!!」


『マスター。頼まれていたものを購入しておきました』


「おう。ありがとな。それじゃ、依頼主の所へ急ごうか」


 シロと手を繋ぎ、クロには曰くのあいだ購入したアイテムの類を持ってもらいながら、俺は依頼主が待っている待ちの入口へと足を運び始めた。

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