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47話 『モンスターの料理』

ホント話進めるの下手すぎてごめんなさい。

 ギルド長が用意してくれた部屋へと向かい、中へと入った俺は驚愕していた。

 俺の予想だと、やはりギルドの中という事もあり、そこまで広くもない普通の部屋だと思っていたが、全くもって違った。むしろ三人でも少し広いくらいの部屋であり、ベッドは二つしかないがその分大きく、部屋自体にお風呂があった。

 普通の宿屋が日本のビジネスホテルだとするならば、この用意してくれた部屋は確実にその上をいくクラスのホテルだろう。


 もちろん、驚いているのは俺だけでない。シロに至っては、喜びのあまり部屋の中を走り回っていた。


「この部屋ひろーい!! ベッドも大きいし、フカフカ!! マキトも早く乗ってみて!!!」


「分かった。分かったから。だがな、俺は今ベッドよりも風呂に入りたいんだ。だからまた後でな」


『マスター。夜ご飯はわたしにおまかせください。経験はないですが見事にお作りしてみせます』


「お、おう。それじゃあ任せるよ」


 モンスターであるクロに料理が出来るのかは分からないが、まぁ自ら名乗り出るくらいなのだからきっと料理を覚えたいのだろう。

 これから先クロが料理を出来るようになれば俺としても有難いし、今は素直に任せる方が今後の為になるだろう。


「んじゃ俺は風呂に入るから頼んだぞ」


『畏まりました。マスターはゆっくりしてください』


「シロも一緒に入るー!!」


「い、いや、ちょっと待てシロ。俺は一人でだな?」


「入るの!!」


「……はい」


 正直、シロと一緒にお風呂に入るのが嫌なわけではない。別に、子供と一緒にお風呂に入るのとなにも変わらないが、なんていうか出来るなら一人で休みたかったのだ。

 まぁ、幸いにも浴槽は大きい。シロを一人で遊ばせていても問題はないだろう。


「お風呂で暴れすぎるなよ?」


「はーい!!」


 こうして、俺とシロは一緒にお風呂に入り疲れた身体を癒す事にした。シロが忠告を聞かずに広いお風呂で喜んで遊び回った以外特にこれといって変な事など起きず、俺たちの少し長めのお風呂は終わった。


 お風呂を出て、部屋に戻るといつもは嗅いだことのないような良い匂いが部屋中を埋めつくしていた。


「これは、まさかクロが作ったのか?」


 部屋のテーブルに乗っているのは日本でも何度か見たことのあるような料理だった。

 どうやってこの料理の知識を知ったのか気になる所だが、本でもあるのだろうか。


『はい。レシピ通りに作ってみたのですが、味はお口に合うか分かりません』


「レシピ通り?」


『はい。マスターの役に立とうと思い、料理を覚えようと思ったのです。その為にレシピ本なるものを購入したので、その本に載っている通りに作った次第です』


 そう言ってクロは何処からか料理の本を取り出して俺へと渡してきた。

 受け取った本をパラパラと捲り中身を確認する。確かに、本の内容は日本に実際存在する料理のレシピが書いてあった。材料や調味料はやはり異なるようだが、作り方としては基本的に同じのようだ。


「わぁ!! すごい!! これ全部クロが作ったの!? 美味しそう!!」


 俺が本を見ているあいだに、少し遅れてシロがお風呂から上がってきた。髪もまだ十分に乾いていないというのに、シロはお腹が空いたのか料理を食べるために椅子へと真っ先に向かって行った。


「あ、そういえば料理の材料はどうしたんだ?」


『材料、ですか? はい。それならこの部屋にあった物を使わせていただきました。もちろん、マスターがお風呂へと入っているあいだに許可もいただいています』


「そうか。なら良いんだ。ありがとな」


『いえ。まだ味の保証は出来ませんので』


「こんだけ見た目が良いんだからさすがに味も美味いだろ」


「ねぇねぇー!! 早く食べようよー! 冷めちゃうよー?」


 シロの言葉に俺は返事をしてから、俺も椅子へと座った。続いてクロも座り、俺たちは夕食を楽しんだ。もちろん、クロの作った初の料理は味も美味しく、これからも作ってもらいたいと思える程だったのは言うまでもない。


「よし、それじゃ、そろそろ寝るか」


「うん〜。シロももう眠い〜」


『マスター。モンスターたる私の料理など嫌なら食べなくても良かったのですよ?』


「ばーか。突然何言ってんだよ。俺は素直にクロの料理が美味かったからこれからも食いてえんだよ。だから、モンスターとか気にしないでどんどん作ってくれよな?」


『はい。畏まりました。マスター。変なことを聞いてしまい申し訳ありません』


「いや、全然気にしないでくれ。それよりも、今はベッドが二つしかないという事実について考えよう」


「シロはマキトと寝る〜」


「まぁ、そうだよな」


 薄々分かっていたことだが、未だにシロと寝るっていうのは慣れる気はしない。


 ────────────────


 次の日の朝、気付いたら寝ていた俺はドアを叩く音で目が覚めた。


 一瞬無視しようか考えたが、ギルド長だった場合めんどくさい事になりそうと考え、俺は寝ぼけたままシロとクロを起こさないように扉へと向かった。

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