45話 『モンスターの名前』
スランプから抜けたばっかで、あんまり話を進めることが出来ませんでした……
シロと死の騎士が帰ってくるまでの間に、俺はメニュー画面を開き、ディルムッドが寝ている横で自身のステータスを確認していた。
『ステータス』
名前:櫻井 槙人
レベル:24
所持金:340円
HP:204
MP:86
スタミナ:123
STR:245
DEX:65
AGI:149
INT:74
LUCK:150
スキル: 【低位モンスター召喚】 【モンスターテイム】【格闘術スキル】【守護魔法】【格闘術スキルの極意】【詠唱破棄】【火魔法】
「へぇ。スキルが増えてるじゃん」
最早この世界でのスキルの覚え方が一定レベルごとに選択できる系なのか、勝手に覚えていく式なのか良く分からないが、まぁ知らないうちに増えているということは、スキルの覚え方は二通りあるということで多分間違いないだろう。
あとの問題は覚えたスキルについてだ。
見た感じからして、火魔法は多分文字通りだろう。前に覚えていた光魔法とかと同じような系統の筈。最初にどんな火魔法が使えるのかは後で見ればいいとして、次は詠唱破棄についてだ。
そもそも、詠唱破棄というのが文字通りの意味とするのなら非常にわかりやすい。本来詠唱が必要な魔法を多分だが、詠唱しなくても使えるのだろう。威力がどの程度減少するのかとかは未知数だが、まぁ一度使ってみれば分かるはずだ。
「検証は後にするとして、とりあえず火魔法についてだな」
火魔法自体を調べようとした瞬間だった。突然後ろに気配を感じて、俺は素早く振り返った。
『も、申し訳ありませんマスター』
俺が尋常ではない速度で振り向いたことにビックリしたのか、きっと俺に話し掛けようとしていた死の騎士が戸惑ってしまった。
「いや、大丈夫だ。むしろ俺こそすまん。それで、俺になにか用か?」
『はい。先程、街でアイテムを購入しようとした際に、冒険者ギルドの方々に話し掛けられまして、どうやらゴブリン共の件で話があるようです。それで、マスターが動けるのならばご一緒に来て欲しいらしく……』
「そうか。ありがとな。俺も普通に動けるようになったし、一応顔出しとくか」
「あ、ねぇねぇマキト。そういえば、名前って決まったのー?」
「ん? 名前? あ、あぁ。もちろんだよ。お前達が居ない間にしっかりと考えてたからな」
シロにはこんな風に言ってしまっているが、実際のところ全く考えていない。むしろ今から考えようとしていた所だ。
しかし、シロが俺のことを期待に満ちた眼差しで見てくる手前、まだ決まってないとも言えない。となれば、今ここで瞬時に決める以外俺に選択肢はないだろう。
「そ、そうだな。死の騎士のことは今日から『クロ』って呼ぶ事にするよ。どうだ? 嫌なら変えるが……」
『い、いえ! 私なんかがマスターから名前を頂けるなど! それに、シロ殿と相対する名前など本当に頂いてしまってよろしいのですか?』
「あぁ! 全然良いって! むしろ喜んでくれるなら考えた甲斐があったよ」
「クローー! シロと似てる!! やったー!!」
正直な話、クロって名前は死の騎士の全身が真っ黒な鎧からとった名前だ。これでもしも死の騎士が受け入れてくれなかったら次の名前は考えていなかったから危ない所だった。
まぁ幸いにも、何故かシロも喜んでるし、死の騎士もクロって名前を気に入ってくれたようで助かった。
「───さて、それじゃ冒険者ギルドに行こうか」
「うん!! 早く行こ行こっ!」
『お供します。マスター』
死の騎士の名前が決まった所で、俺は座っていた椅子から立ち上がった。
そして、寝ているディルムッドを一目見てから、冒険者ギルドへ向けて足を運び始めた。